1970年、デンマーク生まれ。脚本・出演も兼ねた『プッシャー』(96年)で監督デビュー。初の英語作品である『Fear X(原題)』(03年)がカルト的人気を集めた。06年に『Bronson(原題)』の監督・脚本をつとめ、各国のメディアから「次世代ヨーロッパにおける偉大な映像作家」と高く評価される。『ドライヴ』は11年の第64回カンヌ国際映画祭で上映され、監督賞を受賞。
天才的な運転技術を持ち、昼はハリウッドのカースタントマン、夜は強盗の逃走を手伝う運転手として働く男。映画『ドライブ』は、彼の生涯ただ一度の恋と、裏社会との闘争を描いたクライムサスペンスだ。
監督はデンマーク出身の鬼才ニコラス・ウィンディング・レフン。同作で第64回カンヌ国際映画祭監督賞を受賞した注目株だ。現在41歳のレフン監督に話を聞いた。
レフン監督:カーチェイスや車がたくさん登場する映画には素晴らしい作品があるが、この映画では、機械的にチェイスするだけではなく、他の作品とは違うチェイスが必要だと感じた。車同士が追いかけ合っているというよりも、ドライバーが感じている精神的状況を反映したようなチェイスが欲しかったんだ。
レフン監督:とても難しい質問だね。半分人間で半分機械のような存在だと言うこともできるけれど、彼は、自分が恋に落ちるまで、そのことを分かっていないんだ。物語の課程で、最終的に「機械的な部分」が「人間的な面」を乗っ取ってしまう。「機械」であることがドライバーの本来の姿なので、それはある意味良いことでもあるんだよね。
レフン監督:最初はラテン系の女優を探していたんだけど、ずっと何かが違う気がしていたんだ。そんなときに彼女が作品に興味を持ってくれて挨拶に来てくれた。それまで彼女の映画を見たこともなかったし会ったこともなかったんだけど、母や妻が「彼女は素晴らしい女優」だと言っていた。そして、彼女が部屋に入って来た瞬間、まさに彼女こそが探していた女優だと感じたんだ。彼女は「自分が適役だ」と言ってくれて、その通りになったんだ。
レフン監督:私は、車は好きだけど運転はしない。運転免許を持っていないんだ。免許試験に8回も落ちて、あきらめたんだ。だから、他の監督とは違った見方で撮らざるを得なかった。運転しないから、運転自体には興味がない。スピード感は好きだけど、この映画は、車の移動スピードとは別のスピード感の恩恵を受けているように感じるね。
レフン監督:本質的にはロサンゼルスに来て、ここのルールに従って、映画業界に関する映画を作ったという感じだ。映画製作や業界の人々などがこの映画の一部で、それらの要素がすべて加わってとても不思議な世界を作り出している。
また本作はとても動きのある映画だ。「動き」といっても車を運転することだけではなく、キャラクターの心の動きなんだ。
レフン監督:私は彼がとても好きなんだ。我々にとって映画を作るということは、肉体的というよりも精神的な冒険なんだよ。彼と会ったとき、お互いに刺激し合えると感じ、我を忘れるくらい嬉しかったよ。
おそらく映画製作において最高なことのひとつが、お互いに影響し合えることなんだ。私たちは多くの点で似ている。やりたいことも同じで、映画を作る上でのモチベーションの上げ方も一緒だし、趣味も共通点が多い。だから最後、「さよなら」は言わず、「また次の作品で会いましょう」と言ったんだ。
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