1978年6月16日、スペインのバルセロナ生まれ。生後すぐに父の母国・ドイツに移住。10代からドイツのテレビシリーズで活躍し、『グッバイ、レーニン!』(03年)で世界的に注目を浴びる。母がスペイン人でスペイン語を話すが、英語、フランス語にも堪能で、国際的に活躍。『ラヴェンダーの花咲く庭で』(04年)、『戦場のアリア』(05年)、『ボーン・アルティメイタム』(07年)などを経て、クエンティン・タランティーノ監督の『イングロリアス・バスターズ』(09年)に出演。ほかに『みんなで一緒に暮らしたら』(11年)。今年はベネディクト・カンバーバッチ主演でウィキリークスの創始者ジュリアン・アサンジを描く『The Fifth Estate(原題)』(13年)の日本公開が控えている。
19世紀後半、ドイツの名門校に赴任した1人の英語教師──ドイツ・サッカーの父と呼ばれる実在の人物のドラマを描いた『コッホ先生と僕らの革命』は、抑圧的な生活のなかで縮こまっていた生徒たちが、1人の教師の導きで成長していく様子を描いた感動作だ。
主人公コンラート・コッホ先生を演じたのは若手演技派ダニエル・ブリュール。学校や保護者らの抵抗を受けながらも、子どもたちにフェアプレイの精神やチームプレイの大切さを説き、より自由な教育を行いたいと奮闘する教師を熱演したブリュールに話を聞いた。
ブリュール:いえ、知りませんでした。サッカーファンとして、彼のことを知らなかったことを恥ずかしく思いますが、私の周りのコアなサッカーファンも知らなかったんですよ。ただ、実在の人物で一般にはあまり知られていない人物を演じることはとても興味深いことなので、ぜひこの役を演じたいと思いました。
ブリュール:とても共感できる人物で、すぐに好きになりました。保守的で古い体制に凝り固まっていた19世紀末のドイツでパイオニアとしての役割を果たした、とても勇気のある人物だと思います。また、サッカーだけではなく、それまでの脅しをかけるような教育から子どもたちを解き放とうと、教育者としての革命を試みた素晴らしい人物です。
ブリュール:ええ。好きなチームはバルセロナで、好きな選手はリオネル・メッシ、ジェラール・ピケ、ほとんどすべて! 香川(真司)選手が来なかったのが残念でした。
ブリュール:コッホは、サッカーを通じて、どの子どもたちにも自分の居場所があるということを伝えられたんだと思います。どんな子どもにも欠点もあれば強みもあるということをね。そして、サッカーによってクラスが1つになれるという達成感。それまでのように、誰かを仲間はずれにしていてはチームはまとまりません。コッホは子どもたちに、学校は楽しいということ、そして学ぶことの楽しさを教えることができたので、子どもたちが変わっていったんだと思います。
ブリュール:ええ。ドイツ語と音楽を教えてくれていた先生で、その先生が演劇への参加を勧めてくれたんです。また、10〜11歳くらいのときにはその先生の勧めで朗読コンテストに出場し、優勝しました。その優勝がきっかけでラジオの朗読を始め、それによって俳優になりたいと思うようになったので、その先生がいなかったら今の僕はなかったかもしれません。
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