1961年7月15日生まれ、アメリカのテキサス州出身。アメフトの奨学金を得て大学に進学するが、後に南カリフォルニア大学に転入。音楽と演劇を学ぶ。『初体験/リッジモント・ハイ』(82年)で映画デビュー。『プラトーン』(87年)や『グッドモーニング、ベトナム』(88年)を経て、『バード』(89年)でカンヌ国際映画祭主演男優賞を受賞。『ラストキング・オブ・スコットランド』(06年)でアカデミー賞主演男優賞を受賞。その他『大統領の執事の涙』(13年)などに出演。また監督・プロデューサーとしても活躍。『ため息つかせて』(95年)、『微笑みをもう一度』(98年)などを監督、大きな話題を呼んだ『フルートベール駅で』(13年)などを製作している。
『ケープタウン』フォレスト・ウィテカー インタビュー
アフリカ系アメリカ人として史上4人目となるオスカーを獲得した名優が、アパルトヘイトの闇を描いた衝撃作に出演!
『ラストキング・オブ・スコットランド』でウガンダの独裁者アミンを演じ2006年度のアカデミー賞主演男優賞を受賞したフォレスト・ウィテカー。最近では『大統領の執事の涙』(13年)で人々を涙させた名優だ。そんな彼が挑んだサスペンス・アクション『ケープタウン』は、南アフリカのケープタウンを舞台に、アパルトヘイト政策が残した傷跡をテーマにしている。
ウィテカーが演じる刑事アリは、凄惨な惨殺事件を追うなかで、ケープタウンが抱える闇に迫ることとなる。スラム街で頻発する子どもたちの失踪事件、最後には自殺を引き起こす新種の薬物、そしてアパルトヘイト政策時代に研究されていた黒人抹殺のための化学兵器──それらが導き出す恐ろしい真相とは? そして、アリの身に迫り来る危険とは?
人気俳優オーランド・ブルームとの共演も話題の本作について、ウィテカーに語ってもらった。
ウィテカー:ケープタウンにある警察の、犯罪捜査科のある班のリーダーで、父親がアパルトヘイトの運動のさなかで殺されたという、その時代の被害者でもある… 。今日も彼は、ただ幸せを求めて、普通の暮らしを送ろうとしている。だが、彼の暮らしはもろくも崩壊し、つらい過去と向き合わなくてはいけなくなるんだ。
ウィテカー:彼とは撮影の間中、ずっと意見を交わしていたよ。面白いのは、一緒のシーンがほとんどないにも関わらず、映画を見ると全く逆の印象を持つことだ。彼が演じる男と私のアリとは、つらい過去を抱えているところなど多くの共通点がある。アリも酒やセックスに依存しているしね。終いには2人とも、この幻想に向き合わなくてはならないんだ。オーランドと共演出来て本当に良かったよ。彼はこの作品で素晴らしい仕事をしたと思う。
ウィテカー:勉強するのは時間の制約があって難しかったし、あまりこの国のことを知っていたとは言えないな。ただ、撮影を通じて学べたことはあった。
それまでは、皆が知っているような大きな出来事だけの知識しかなかった──アパルトヘイト、有色人種の隔離政策に対する運動、それらシステムの終わりと国の新たな政策……。しかし、この国ではそれらの出来事はまだ最近のもので、まだやるべきことがあるんだ。憎しみや戦いの歴史をほんの10数年で消し去ることは出来ないんだよ。暴力の感情をどのようにして乗り越えるか? どうしたら昨日暴君だった相手を今日パートナーとして迎え入れることが出来るのか? それまで自分より下の身分にあった者をどうしたら今日から平等と認めることが出来る?
面白かったのは、このような疑問を持って撮影に臨んだところ、この時代を経験した俳優たちによって、それらへの回答は部分的に得られたことだ。
ウィテカー:この役はユニークで、これまでに演じたことがないタイプのキャラクターだった。私は常に前進していたいから、過去に演じた役を振り返ったり分析したりすることはしないんだが、アリの役はいい時期に話をもらったと思っているよ。
(サックス演奏者チャーリー・パーカーを演じた)『バード』(88年)では、クリント・イーストウッド監督は私を初めて主演に選んでくれただけでなく、全面的に信頼してくれたから、あとは自分の恐怖心との闘いだった。『ラストキング・オブ・スコットランド』では、演じる役をどうしたら深めていけるか、どうやって1人のキャラクターのなかで自分を変化させるかを学んだ。
今は、活力がみなぎっていて、仕事に精力的に取り組みたいと思っている。自分にとって役者として新しい出発の時期であり、この映画はその象徴的な作品と言えるんだ。
ウィテカー:大変才能のある監督だ。彼が望む世界をしっかりと構築できる人だと思う。オーランドと私にとってもとても助かったよ。ほぼ全員が南アフリカ人というチームをうまく指揮してくれたため、我々、2人の外国人の俳優にとってはとてもありがたかった。このチームはエネルギーに満ち溢れていたんだ。こういった環境でいい影響を受けることはとても大切だから、ジェロームには感謝している。
フランス人監督の作品に出演するのは4度目だけれど、フランス語が下手なことが残念でならない。2014年にはフランス語を学ぼうと決めたのに……。
この作品を見た観客たちが、私が演じたアリにどういう感想を持ってくれるのか早く聞きたいよ。この作品を撮影したときにとても楽しかったからね。
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