ブリトニー・スピアーズは、息子から「赤ちゃんはどうしてできるの?」と聞かれたらどうしようとビクビクしているというが、実は同じように思っている人も多いのでは? 性教育の重要性は分かっていても、いざとなると、どう子どもと向き合えばいいのか分からないという方にぜひ見てほしいのが『シェルビーの性教育〜避妊を学校でおしえて!』だ。
[動画]『シェルビーの性教育〜避妊を学校でおしえて!』予告編
『松嶋×町山 未公開映画祭』特集
これは、現在Web公開中の「松嶋×町山 未公開映画祭」のなかの1本で、女子高生のシェルビー・ノックスが性教育の重要さを訴える様子を追ったドキュメンタリーだ。
彼女が住むのはテキサス州にあるラボック市。敬虔なキリスト教徒が多く住むと思われるこの町の性教育方針は「婚前交渉は厳禁」で、性教育などないに等しい。ちなみにこの町の10代は14人に1人が妊娠し(!)、性感染症の感染率は全米平均の2倍! 共に全米で最も高い数字だという。
優等生で、自身は未経験だというシェルビーは、そんな現状を変えたいという一心から、学校で性教育をしてほしいと訴え始める。だが、仲間たちと共に積極的に活動する彼女への風当たりは厳しい。
大人たちは言う。「性教育は不道徳な行いを助長する」と。だが、シェルビーは「誰も教えてくれないから、試して学んでいく」と考える。
さらに彼女が問題視するのは、この町の性教育を担っているのが牧師であること。結婚まで純血を守ることだけを説く牧師は、婚前交渉についての恐怖を強くあおる一方で、コンドームの使い方などもちろん教えてくれない。でも、彼の話にあまり効果がないことは、妊娠と性感染症の多さからも明らかだろう。
理想論をふりかざし臭いものにフタをしているように見える大人たちと、現実を見据え改善策を訴えるシェルビーたち。客観的に見ると、シェルビーの話に分があるように思えるのだが、みなさんの考えはいかがだろう。
この映画のいいところは、シェルビー自身、保守的な両親との価値観の違いを実感していること。娘への理解を示しながらも全面的に受け入れかねている両親は、様々なバッシングに直面する娘に、この活動をやめることを提案したりもする。そんな、どの親子にもある葛藤が温かな眼差しで綴られ、共感を誘うのだ。
年末年始は子どもと過ごす機会も多いはず。家族でこの映画を見て、普段は面と向かって話しづらい性教育について考えてみてはどうだろうか。
『シェルビーの性教育〜避妊を学校でおしえて!』は『松嶋×町山 未公開映画祭』(http://www.mikoukai.net/index.html)で配信中。
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