全国130館の独立系映画館のスタッフが“スクリーンで最も輝いた映画”を選んだ<映画館大賞2011>の結果が4月5日に発表された。対象となったのは2009年12月〜2010年11月末日までに公開された作品で、中島哲也監督×松たか子主演の『告白』が第1位に輝いた。
2位はキネマ旬報ベスト・テン/外国映画ベスト・テン第1位にもなった韓国映画『息もできない』で、第3位が全世界で約28億ドルを稼ぎ出し歴代興行収入第1位となった『アバター』。キネマ旬報ベストテンで1位だった『悪人』は第6位にとどまった。
また、著名人が選ぶ特別部門「あの人の1本」も発表された。まず、『第9地区』を選んだ黒沢清監督は、選出理由について「難民のような宇宙人が地球に飛来、ゲットーを作って住み着き、人間はたいへん迷惑する……と事前に聞いていた内容は冒頭のほんの5分だった。ここから映画が始まり、見る間にまっとうな活劇としての体裁を整えていく。立派な映画だ。とりわけ宇宙人と人間とが協力して敵の基地に潜入するシーンは、ジョン・カーペンターかと見紛うばかりの感動で泣きそうになった」とコメント。
夏木マリは南米移民の姿を描いた『闇の列車、光の旅』を選出し、「私はロードムービーの旅が好きだ。主人公と一緒に知らない世界を見る興奮。しかしながら2010年は過酷な旅を経験した。『闇の列車、光の旅』は、この年私にとって一番の衝撃作だ。映画製作人達は少女と少年に命がけの危険な旅をさせる。南米、ホンジュラスに住む少女サイラはよりよい生活を求め父とアメリカを目指すが、移民生活の過酷な現実のなかで少年と出会い、ある事件をきっかけに2人は強くなっていく。監督は自ら不法移民と旅をしてリサーチしたという。今、現実にこんな世界があるという事実。結末の感動はどんな旅より私は自由になれた」とコメントを寄せた。
また、映画評論家の山根貞男は、ラピュタ阿佐ヶ谷で再上映された斎藤武市監督作『骨まで愛して』を選出した。
映画館大賞2011の受賞結果は以下の通り。
1位『告白』(監督:中島哲也/出演:松たか子)
2位『息もできない』(監督・出演:ヤン・イクチュン)
3位『アバター』(監督:ジェームズ・キャメロン/出演:サム・ワーシントン)
4位『トイ・ストーリー3』(監督:リー・アンクリッチ)
5位『インセプション』(監督:クリストファー・ノーラン/出演:レオナルド・ディカプリオ)
6位『悪人』(監督:李相日/出演:妻夫木聡)
7位『第9地区』(監督:ニール・ブロムカンプ/出演:シャルト・コプリー)
8位『オーケストラ!』(監督:ラデュ・ミヘイレアニュ/出演:アレクセイ・グシュコブ)
9位『十三人の刺客』(監督:三池崇史/出演:役所広司)
10位『瞳の奥の秘密』(監督:ファン・ホセ・カンパネラ/出演:リカルド・ダリン)
11位『キャタピラー CATERPILLAR』
12位『海炭市叙景』
13位『(500)日のサマー』
14位『川の底からこんにちは』
15位『借りぐらしのアリエッティ』
16位『ハート・ロッカー』
17位『インビクタス/負けざる者たち』
18位『春との旅』
19位『ぼくのエリ 200歳の少女』
20位『おとうと』
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