先月31日より開催中の第68回ヴェネチア国際映画祭。最高賞・金獅子賞を競うコンペティション部門に、唯一の日本映画として出品されている『ヒミズ』の記者会見が、現地時間9月6日の12時半からリド島にある映画館SALA GRANDEで行われ、園子温監督とキャストの染谷将太、二階堂ふみが出席した。
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同作は人間のダークサイドを描いた同名コミックを映画化したもの。撮影が始まる前に3月11日の東日本大震災が起きたことで、園監督は脚本を書き直したという。被災地での撮影も行っており、園監督は「多くの人に撮影を止められ、葛藤はありながらも、ここで現地に入らなかったら一生後悔すると思い、被災地での撮影に挑んだ」と明かした。
また監督は、作品に込めた思いを問われ、「今回初めて、オリジナルではないマンガ原作の映画をやることにしました。10年前に書かれたマンガには、終わらない日常の退屈さ、むなしさのようなものがありましたが、3月11日の震災を受けて、“終わらない日常”から“終わらない非日常”が当たり前になってしまった。そういう(意識を持っている)若者を描きたかった」と語った。
一方、震災後の若者の心境を聞かれた染谷は「今まで、日本の若者が考えなかったことを考え始めたり、すごく悲しい思いをして立ち直ろうとしていたり。今までとは全く違う思考を、若者が持ち始めていることを実感しています」と回答。二階堂も「今回の震災を受けて、改めて何も知らなかったというショックを受けている同世代の人が多いと感じています。少なくとも私は、もっともっと勉強して、いろんなことを知りたいと思いました」と、自分の言葉でしっかりとした思いを語っていた。
同映画祭は9月10日まで開催。最終日の午後7時からは授賞式が行われる。また、『ヒミズ』は2012年春にシネクイントほかにて全国順次公開される。
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