是枝監督が後押し! 父の最期を娘が撮った『エンディングノート』が公開

是枝裕和プロデューサー(左)と砂田麻美監督(右)
是枝裕和プロデューサー(左)と砂田麻美監督(右)

がん宣告を受けた父親の、最期の日までの歩みを娘が記録した家族ドキュメンタリー映画「エンディングノート」。この映画が10月1日に公開初日を迎え、新宿ピカデリーで行われた舞台挨拶に、砂田麻美監督とプロデューサーをつとめた映画監督の是枝裕和が登壇した。

[動画]『エンディングノート』予告編

これまで是枝作品の助監督をつとめてきた砂田監督は、初メガホンを取った本作について「本日は、主人公が遠いところにおりまして(笑)。代わりに、私からご挨拶をさせていただくと、もし父がここにいたら『私事でお騒がせして申し訳ありません』と言うと思います。こんなにたくさんの方に見ていただけるとは想像していなかったので、多分、父は驚いているだろうと思います」 と、父・砂田知昭さんの気持ちを代弁し、挨拶した。

作品については「父と娘の物語に終わらせたくなくて、自分が1人の人間を見送ったときに見て感じた哀しさだったり、不思議さだったり、その色々な感情を普遍的な物語にしたいと思いました」と語っていた。

一方“是枝プロデューサー”は、本作を劇場公開した理由について「父と娘の物語に閉じてしまっていたら『いいお父さんだね。じゃ、仕事しよっか』となったと思います(笑)。初めて見た段階で、エンターテインメントとして見てもらえるものに仕上がっていました」と説明。その上で「根っこにあるのはお父さんへの愛情だと思うんですが、この作品を見て、それが太いというか、しっかりしていると思いました」と評し 、「劇場公開できるようにきちんと応援しなければと思いました」と、まるで娘の旅立ちを見守る父親のようだった。

師匠に後押しされた形の砂田監督は「父のキャラクターがブレないというか、最後まで変わらなかったことに、ある種の感動を覚えました。几帳面な熱血サラリーマンで、自分で色んなことを把握していたいという性格は旅立つまで変わりませんでした」と振り返り、「父の『生』に向かっていくエネルギーみたいなものを、みなさんと共有できたら嬉しいです」と締めくくった。

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