俳優・伊勢谷友介にとって『カクト』以来、2本目の監督作となる『セイジ−陸の魚−』。第24回東京国際映画祭で特別招待作品となっている本作の舞台挨拶が10月27日にTOHOシネマズ六本木ヒルズで行われ、伊勢谷監督と主演の西島秀俊が登壇した。
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誰もが経験する若さゆえの自分探しの旅と、その記憶。人が人を癒すことの難しさを描いた辻内智貴の原作を映画化した本作。西島は「この映画で人を救うことについて、改めて真剣に考える機会を与えてもらった」と挨拶。伊勢谷監督は「西島さんが仰ってくれたように、人を助けることや自分たちが傷ついた後にどうやってそれを乗り越えていくかについて、僕も一生懸命考えてこの映画を作った」と話した。
互いに俳優として実績を積み上げてきた2人だが、意外にも過去に1度も共演経験がない。そうしたなか、伊勢谷監督からオファーが来たときの感想を聞かれた西島は、森山未來、津川雅彦、裕木奈江、新井浩文、渋川清彦といった本作での共演者の名前を挙げ、「俳優の世界のなかで、もっとも徹底的に役作りをし、先輩の役者でも遠慮なく演技することで有名な役者が揃っている。そのなかの1人として選ばれたことは非常に光栄」とコメント。「伊勢谷監督が俳優の目でキャスティングしたんだろうなと思っている」と続けた。
また、本作に出演しようと思った一番の原動力については「何よりもこのセイジという役が、演じるにはとてつもなくハードルの高い役だったこと」と述べ、役者魂ものぞかせた。
一方、その西島をどうやって演出したかと聞かれた伊勢谷監督は「ほとんど僕は、西島さんに演出していない」と回答。これに対し西島が「嘘ですよ」と突っ込み、客席から笑いが起こる場面も。さらに伊勢谷監督は「西島さんは現場に来て、本当に大変なシーンをサラッとやって、サラッと帰って行く。なんてドライな方だと思っていたが、(この場で西島の話を聞いて)内々では努力があったんだなと実感した」と俳優・西島を絶賛。
西島もまた、伊勢谷の監督ぶりについて「普通の監督のように俳優を外から客観的に見て演出するのではなく、俳優と一緒に役を作っていく方。1人ひとりの俳優の役にとてつもなく愛情を注ぐ監督」と褒め称えていた。
『セイジ−陸の魚−』は2012年2月18日よりテアトル新宿ほかにて公開となる。
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