田原総一朗がメディアの在り方に疑問、あいまいな定義とタブーを問題視!
11月30日、現在公開中の『いちご白書』のトークショーが新宿武蔵野館で行われ、田原総一朗が出席。学生運動や今の日本の若者たちについて語った。
『いちご白書』は、1968年に実際に起きたアメリカ、コロンビア大学の学園紛争を元にした社会派青春映画。好意をもった女の子に感化され、次第に権力への怒りに目覚めていく大学生の様子を主軸に、過激化する学生運動を描き出す。
映画を見て日米の学生運動に共通点を見出したという田原は、70年の日米安保条約改定、72年の沖縄返還、そしてベトナム戦争が学生運動の発端となったことを説明。「アメリカの基地がある沖縄が返還されると本土が沖縄化してしまうと、当時は(返還について)反対派が多かった。67年に当時の佐藤栄作総理大臣が沖縄に行くのを阻止するため、羽田空港で反対派による闘争が起き、そこから一気に学生運動が盛り上がっていった」と解説した。
その上で、映画の主人公たちについて「リアリティのなかった学生が、ストに参加することで『生きるって何だろう?』『俺って何だろう?』と考えるようになり、自分の存在理由をつかむまでのプロセスが面白い。理屈にもならないようなことがきっかけで、反戦運動にまで繋がっていったんです」と語った。
だが、そこから過激化していった運動についても触れ「革命のために強盗、殺人を繰り返し、最終的に(死者3名を出した)あさま山荘事件にまで発展した」と説明。さらにはそれが“オウム真理教事件”へとつながっていったのではないかとも推測した。
また田原は、現在の日本の若者についても言及。「今、世界中で若者がデモや暴動を起こしているが、日本(の若者)が一番怒っていない。もっと若いのが怒らなきゃ」と、若者たちを鼓舞。
その背景として、日本では言論の自由が制限され過ぎていることを挙げ、「例えば、暴力団についてテレビでも論議したいが、論議自体がタブーとなっている」と、メディアの在り方に疑問を提示した。
そして「私だって暴力団と写真を撮ったり一緒に飯を食ったりしていますよ。マスコミは、芸能人が暴力団と関係があるのが問題だと言っているが、“関係”とは何なのか? 極めてあいまい」と断言。「今の日本では言論が“不自由”になってしまっている。もっと若者が怒らないと世の中は変わらない」と力説していた。
『いちご白書』は新宿武蔵野館ほかにて全国順次公開中。
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