現在公開中の性犯罪被害者の絶望と再生を描いた『ネムリユスリカ』。この映画のトークショーが12月13日にシアター・イメージフォーラムで行われ、元経済産業省官僚の古賀茂明と、同作の坂口香津美監督が登壇した。
・高レベル放射性廃棄物の処分をテーマにしたドキュメンタリー『100,000年後の安全』
冒頭、坂口監督は自身と古賀との共通点について「共に1955年生まれで、古賀さんは長崎生まれだが、私も長崎に5年ほど通って番組や、来年公開になる『夏の祈り』という映画を撮っていた」と説明。その上で、長崎には原爆が落とされ、最近話題になっている玄海原発もあるが、どう思うかと質問した。
古賀は「日本人は長崎と広島で原爆を経験して、原子力の怖さをものすごく知っているはずだった。普通に考えると、原発をたくさん作れる環境ではなかったと思うが、今は原発大国になっている。国民1人ひとりに問いかけるともっと違った選択肢もあったと思うが、昔は自民党の一党独裁で、自民党が言っていることが、そのまま国民の意思になってしまった。今は原点に立ち返って、国民1人ひとりが本当にどう思っているのかを考えていくべき」と語った。
身の危険を感じることはあるかとの質問には「特に電力関係の発言を始めてからは、身の回りにいろいろなことが起こった。今は警察の方に警備に来てもらってる」と回答。続けて「割と自分は(危険に関して)鈍感かなって気がしています。だから、ドキドキしちゃって何かできなくなるってことは今のところないですね」と笑顔で応じていた。
古賀は9月26日付けで経済産業省を辞職。職業を聞かれると「無職です」と答える場面も。「官僚を辞めるときに、奥さんは理解してくれたか?」との質問には、「(妻から)ここまで来たら辞めるしかない。辞めて当たり前じゃないって感じで言ってもらいました」と明かした。
また古賀は、前大阪府知事(大阪新市長)の橋下徹らのもと、大阪府と市の二重行政解消に向け発足する「府市統合本部」の顧問就任が取り沙汰されている。そこで何をしたいかという質問には「大阪市は関西電力の筆頭株主。筆頭株主として株主提案も含めて、橋下さんは脱原発につなげていきたいという気持ちをもっておられるので、サポートしていきたい」と答えていた。
最後に古賀は「これから日本は変わっていくときだが、お金がない。だから、ただ農家だからとか、ただ年を取っているからという、ちょっと可哀相な人を助けるのではなく、本当に可哀相で、助けなくてはいけない人こそ救うべき。だが、現実にはあまり助けられていないので、そういう人に手を差しのべられる行政にしていくべき。一方、ちょっと可哀相なくらいの人は、みんなで助け合って頑張って生きていけるような社会にしていくしかない」と力強く語っていた。
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