『わが母の記』舞台挨拶に本木雅弘が登場、義母・樹木希林との緊張感ある生活を語る
50年の断絶の時を埋めようとする小説家とその母の姿を描いた『わが母の記』。現在、好評公開中のこの映画の舞台挨拶が、母の日である5月13日に新宿ピカデリーで行われ、樹木希林と原田眞人監督が舞台挨拶を行った。
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劇中で、役所広司扮する主人公の老母を演じた樹木。この日は、実生活で娘婿となる本木雅弘もサプライズで登場。樹木は「(本木は)こういう場に出て来たことがないんですよ。同じ家に住んでいても、とにかく仕事の話を家で一切したことなないのに、よく来てくれる気になりましたね」と心底驚き、「私だけでなく夫もお世話になっているので頭が上がりません。今日は布団をかぶって寝てしまおうと思う」と照れくさそう。
これに対し本木は「樹木さんは大抵のことには驚かないんです。ですので、こんな機会でないと驚いてもらえないと思って、つい引き受けてしまった」と説明。さらに、本作撮影中の樹木の様子について「普段は2、3分以上出番がある役はやりたくないと言っているのですが、(本作では)重い腰を上げて、静かな意気込みを持っているのだなということを、近くで見て感じていました」と明かした。
また本木は「樹木さんと親子関係になってから17年になるのですが、みなさんもよく分かるように、日常生活も緊張感に満ちています」と場内を沸かせ、「樹木さんには、悩んだときなどに背中を押してくれます。でも、他人のことまで頑張ってしまうタイプなので、身体には十分気をつけて、長生きして私たちを支えていってほしい」と、“義母”への思いを口にした。
一方、原田監督は本作に込めた思いについて「井上靖先生が僕の高校の先輩ということと、僕自身が年を取ってきて、若い世代に忘れられつつある井上さんのことや小津安二郎監督、黒澤明監督の世界、昭和の世界というものを映像的にまとめたいという気持ちが徐々に強くなり、小津監督の映像の枠組みを意識した方向で作っていった」と語った。
また、樹木の演技について「最初は高峰秀子さんをイメージしていたんですが、若い樹木さんに老けメイクをせずに、ご自身で老化というものを演じてもらった方がいいかな、と。28歳のときに『切腹』に出演した仲代達矢さんに強烈なインパクトがあったように、樹木さんの演技もそれに匹敵するものになるんじゃないかと思いました」と絶賛。自作については「『テルマエ・ロマエ』のようなエンタテインメント性の高い作品も必要ですが、この映画のような、考えれば考えるほど面白くなるような作品も必要だと思うので頑張りたい。『テルマエ〜』には(興行成績で)かないませんでしたが、みんなで情熱を込めて作った作品。2度、3度と映画館に足を運んでいただき、たくさん笑って泣いていただければ」とアピールしていた。
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