人望厚く、家族からも頼りにされるやくざの組長と、彼を献身的に支える妻、そして個性的な子どもたちの姿を描いた異色のホームドラマ『親父の仕事は裏稼業』。その完成披露上映会が8月12日にパークハイアット東京で行われ、キャストの杉良太郎、池内博之、袴田吉彦、小野健斗、梨里杏(りりあ)、高島礼子が登壇した。
本作で主演に加え、企画・脚本・監督も兼務した杉は、製作意図を聞かれると、以前から家族というテーマに関心があったことを明かし「家族団らんがなくなっていくことが寂しいと思っていました。また、いじめや自殺が増えている気がする今、敬う心や教育ができていないと思うので、このドラマを見て、職業で差別することなく悩みごとはみな共通だという思いを描きました」と語った。
ドラマで杉の妻を演じた高島は、杉の演出について聞かれ「役者の気持ちもスタッフの気持ちも理解してくれるのでとてもやりやすかった。おかげでとてもいい現場になりました」と感謝。続けて「娘役の梨里杏にはものすごいスパルタで教えてくださっていた。今、監督が自ら演技指導をしてくれることは珍しい」と“熱い”演出ぶりを教えてくれた。
一方、杉に鍛えられたという梨里杏は「印象に残ったアドバイスは杉監督の『自信をもって堂々といけ!』という言葉。常にその言葉を胸に、演じていました」と振り返った。また、小野も「最初は本当に緊張しました。撮影中は経験も浅いのでずっとヒヤヒヤしていました」と言いながらも、みんなに良くしてもらったそうで「予定よりも早く撮影が終わり寂しい気分になりました」と話していた。
撮影中、池内の殺陣のシーンでアクシデントもあったそうで、「池内の右肘にビリヤードのキューが当たり、折れたんです。レントゲンでは異常がなかったのですが、ヒヤッとしました」と杉監督。池内は「痛かったです」と苦笑いしながらも、「アクションシーンでは、杉さんの指導してくださる動きが早く、キレがよく素晴らしかった」と、大先輩を称えていた。
観客からの質疑応答では、閉幕となるオリンピックについての質問もあり、杉監督は時流の変化を実感したことを吐露。「柔道はスポーツ化が進んで日本のものではなくなったなぁと。男子の監督を今度は俺がやろうかなと思います。男は弱いなぁ、女は強いなと、日本は女性の国になったなと思いました。アスリート精神を忘れないで次のオリンピックに向かってほしい」と語っていた。
『親父の仕事は裏稼業』は携帯電話専用の放送局BeeTV、dマーケット VIDEOストア powered by BeeTVで8月20日より配信がスタートする。
【関連記事】
・梅宮辰夫が孫にメロメロ
・家族の姿を描いた『わが母の記』完成披露試写会に役所広司、宮崎あおいが登壇
・洒脱な男クルーニーが“残念”なおやじを好演、家族の再生の物語
・『かぞくのくに』のヤン・ヨンヒ監督「家族に会うことと引き換えにこの映画を作った」
PICKUP
MOVIE
INTERVIEW
PRESENT
-
【吉田大八監督登壇】『敵』Q&A付き試写会に10組20名様をご招待!
応募締め切り: 2024.12.30 -
安田淳一監督のサイン入りチェキを1名様にプレゼント!/『侍タイムスリッパー』
応募締め切り: 2025.01.10