来年2月に開催される米国アカデミー賞外国語映画賞の日本代表作品にも選出され、現在ロングラン上映中の『かぞくのくに』。この映画が、開催中の第17回釜山国際映画祭で10月6日に公式上映され、上映後にヤン・ヨンヒ監督と出演者の安藤サクラ、井浦新、ヤン・イクチュンによるティーチインが行われた。
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同作は、病気治療のために25年ぶりに北朝鮮から一時帰国した兄ソンホと、彼を迎える妹リエら家族の姿を通し、価値観の違いと変わらぬ家族の絆を綴っていく人間ドラマ。アジアプレミアとなる今回上映のオンライン・チケットは発売後1分で完売となり、さらに当日券も即完売するなど、韓国でも多くの注目を集めている。
そうしたなか、観客と一緒に映画を鑑賞した監督と出演者たちが登壇。ヤン監督が声を詰まらせながら「なぜ私がこの映画を作ったのかは、この映画を見ればわかるはず。父、母、兄たちと一緒に見ることができたら……。いつか兄たちと一緒にスクリーンでこの映画を見られる日が来ることを心から望みます」と語ると、客席からは大きな拍手が起こった。
続いて、唯一の韓国キャストであるヤンは「今回、韓国で初めて観客の方々と一緒に大きなスクリーンで見ることができ、この作品のあまりの悲しみの深さに胸がいっぱいになってしまって……」と涙ながらにコメント。
監督の分身ともいえるリエを熱演した安藤は「この作品が韓国で上映されたっていう事実に、正直混乱しています」と話し、映画については「共演者やスタッフと話しながら、予定調和でなく作っていけた作品で、自分が受けたショックもすごかった。忘れられない現場になりました」と語った。
また、観客から「韓国語での演技は大変だったのでは?」と尋ねられた井浦は「現場で心が整ってさえいれば、言葉の問題やそれによるお芝居の壁は重要ではないということを実感できました」と回答。「この作品の裏には、国と国との問題、1つの家族が国に翻弄されているという事実など色々なテーマがありますが、僕はあくまでも1つの家族の話として演じました」と続け、本作への思いを吐露していた。
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