10月10日から始まった第56回ロンドン映画祭。12日には『ヘルタースケルター』と『夢売るふたり』が上映され、蜷川実花監督と西川美和監督がそれぞれ舞台挨拶を行った。
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初めてのロンドン映画祭参加をことのほか喜んでいた西川監督は、映画について「夫婦の物語がスタート地点。夫婦とは究極の相棒。結婚生活には楽あれば苦あり。小舟に乗って波を越えていくが、漕ぎ出す方向が間違えば犯罪の方向へ。(映画からは)2人の本質が明確に見えてくるはず」と説明。
劇中では様々なタイプの女性たちが登場するが、「日本でも女性の生き方の選択肢が広がっている。世界中でも急速に選択肢が広がり生き方が多様化していて社会の受け皿が整っていない。自分も含め、30〜40代の女性たちは手に入れた自由をどうしていいかわからずに困惑している」と、女性の生き方も映画の重要なテーマであると語っていた。
一方、紫のシルクドレスで登壇した蜷川監督は、司会から「ニーナ」と、父で舞台演出家の蜷川幸雄のイギリス内でのニックネームで呼ばれてしまう一幕も。蜷川監督は、現地でもスキャンダラスな存在としてしられる主演女優・沢尻エリカへの演出について「ご本人もこの役への思い入れがあったので、説得したというより『絶対大胆にやったほうが格好いいから信じてください』と正直に言いました。出演が決まったときから彼女には覚悟ができていて、共に戦士として戦った感じ」と話していた。
ロンドンでは対面も果たした2人。日本を代表する同世代の女性監督同士だが、意外にも今回が顔合わせは初めてで、短い時間ながらも互いの健闘を讃え合っていた。
ロンドン映画祭は21日まで開催される。
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