監督生活50周年を迎えた山田洋次監督が、小津安二郎監督にオマージュを捧げた『東京家族』。山田にとって81本目の監督作となるこの映画の完成披露舞台挨拶が12月12日に丸の内ピカデリーで行われ、山田監督をはじめ、キャストの橋爪功、吉行和子、西村雅彦、夏川結衣、中嶋朋子、林家正蔵、妻夫木聡、蒼井優が登壇した。
小津監督の代表作『東京物語』をモチーフにした本作は、瀬戸内海の小島で暮らす老夫婦が、子どもたちに会うために上京する旅を通して、家族の絆と別れ、希望を描いた作品。
当初は昨年12月に公開予定だったものの、東日本大震災の影響で制作を延期。そのことについて山田監督は「この作品の準備をはじめたのは一昨年(2010年)の秋でした。それがクランクインが迫った去年の3月11日に大災害が起きて延期し、今年の3月に再開、ようやく完成しました。ですから今日、完成披露試写会を迎えることには特別な感慨があります」と長い道のりを振り返った。
山田組初参加となる妻夫木は「すごく嬉しかった」と喜びを口にすると、「現場で緊張して芝居ができないんじゃないかという不安も最初はありましたが、インしてみたら、山田監督の1つひとつの丁寧な演出を愛情と感じることができ、いい緊張感のなかで取り組むことができました」とコメント。「できあがった作品を見たとき『家族っていいな』って素直に思え、すぐに親に電話したくなったし、『東京家族』を早く見せたい思いでいっぱいでした」と続けた。
妻夫木の恋人役を演じた蒼井は、山田監督作品への出演は『おとうと』に続き2本目。「山田監督の作品に2度も出られるなんて思ってもみなかったので本当に幸せでした。『東京家族』は現代の話ではありますが、日本人が昔から大切にしてきた心が映し出されている作品だと思います」と話した。
本作で、主人公の老夫婦を演じているのは橋爪と吉行。橋爪は映画で吉行と夫婦役を演じるのはこれが3度目だそうで、「改めて夫婦の役をやるというより、まんまいたので、毎日仕事が終わったら、吉行さんと一緒に帰るぞって感じでした」と語り会場を沸かせた。
そんな橋爪の言葉に吉行も「本当に長いお付き合いですから、長年連れ添った夫婦って感じが独りでに出ていたと思う」と同調するも、「2人の間の緊張感がなくてとても良かったんですけど、待っている間も私のことを古女房と思っているらしく、ちっとも話しかけてくれなくて、ほっとかれました」と、やや恨み節。橋爪は「当たらずも遠からずって感じですね」と答え、笑いを誘っていた。
『東京家族』は2013年1月19日より全国公開される。
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