高橋克典が人気ドラマの映画版で舞台挨拶。「スクリーンを全部モザイクにしてみたかった!」
12月6日から全国公開される『特命係長 只野仁 最後の劇場版』。03年の7月に放送が始まった人気ドラマシリーズを映画化した作品だ。23日、東京国際映画祭の特別招待作品のうちの1本として上映され、主演の高橋克典と植田尚監督が、詰めかけたたくさんの女性ファンを前に舞台挨拶を行った。
テレビドラマ同様にお色気シーンやギャグシーンもアリの本作が、特別招待作品に選ばれたことについて高橋は、「何かの間違いじゃないかと(笑)。作品が作品なので……。只野ですからねぇ」と苦笑い。「ドラマは金曜日の夜11時からの枠で始まったのですが、当時、その枠は(他に比べ)予算が2/3くらいしかありませんでした。予算がないからアナログでなんとかできないかと、みんなでアイデアを持ち寄って、スタッフ全員で作った作品だったんです。それが何年か経って映画になるということで、スタッフや共演者の顔が思い浮かび、本当に感激しました。で、よっしゃ映画だ!ということで、今度は映画のためにアイデアを持ち寄って一生懸命作ったら……いつも通りになりました(笑)」と、ドラマから映画に続く道のりを振り返った。
主人公・只野のナイスボディも見どころのひとつだが、「38か39歳の頃にお話をいただいたんですが、その時は、もっとブクブクに太っているのに『いい身体♪』と女性に言われるという設定も面白いと思ったのですが、分かりにくいかなと思い直し」断念したとか。その後、ボディビルのようなムキムキ体型も考えたそうだが、「あそこまでやってしまうと、俳優として、ある種のカテゴリーに入ってしまい、それ以外の仕事がしにくくなってしまう可能性があります(笑)。まだまだいろいろな役をやりたいと思っているので、ボクシングやトレーニングマシーンでの身体作りをして、ああいう結果になったわけです」と話していた。
高橋のアイデアもいろいろと取り入れられているそうだが、監督曰く「エッチなところはみんな高橋さんのアイデア(笑)」とのこと。高橋は映画化にあたり、規定スレスレの表現として挑戦してみたいことがいくつかあったという。その一つが、エッチなシーンなどで使われる“モザイク”。「この大きなスクリーンいっぱいを、全部モザイクにしたかったんです。そして、パッとモザイクが消えると、敵が倒れているという……。でもダメだと言われて(笑)。けれど、(東京国際映画祭の特別招待作品となったと聞き)やらなくてよかったと思っています」
最後に高橋は、作品の見どころについてこう語った。「只野は、大事なのは金だけかとずっと言い続けています。今、世界的な不景気ですが、こういうときこそ人の命の大切さや、幸せとは何かをリアルに感じ、思い出すいいチャンスなのではないかということを、彼は、最もくだらない表現で(笑)示しているんです」
(写真左:植田尚監督/右:高橋克典)
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