日本でリアルな警察犯罪ドラマが生まれない理由とは?高橋玄監督が熱いトークを展開!
多発する警察犯罪の実例をモデルに、1人の実直な警察官が組織悪に染まっていく姿をリアルに描いた映画『ポチの告白』(全国順次公開中)。この社会派エンターテインメントのトークイベントが先月行われ、高橋玄監督と一水会顧問で評論家の鈴木邦男、元警察官の北芝健が熱い思いを語り合った。
まずは警察の内情を熟知した北芝が、自分は悪事に関わったことがないとしながらも、作品中で描かれたような警察犯罪は簡単に起きる可能性があると語り、「面白かったです。よくぞ作ってくれた」と監督にエールを贈った。
アメリカでは、アンジェリーナ・ジョリー主演の『チェンジリング』やキアヌ・リーヴス主演の『フェイク シティ ある男のルール』など悪徳警官をリアルに描いた作品がよく製作されているが、日本では同様の作品が少ないという鈴木は、「日本では、フィクションであろうと、悪徳警官を題材にするのは難しいことなのか。日本では『何かあったら警察を頼らなくてはいけない』『警察を敵にしたくない』と思うからなのか」と質問。北芝が、「その気持ちはあると思いますね。普通のフィクションならOKだが、この作品はフィクションとして捉えられなかった。無数の刺し傷ができたような感じ」と話す一方、だからこそ「とても力強い作品だった」と続けた。
この作品に「腐敗不正を見逃してきたメディアや我々だって“ポチ”なのだ!」という推薦コメントを寄せた鈴木は、「新聞記者は入社したらサツ回りから仕事をスタートさせ、それを通じて『警察は日本を守っている』と知らず知らずのうちに洗脳される。そういった人たちが新聞を書いている」と、警察腐敗が根絶されない仕組みについて言及していた。
「この映画で、『暴力団=悪、警察官=社会正義の守護者』という一般のイメージをひっくり返したかった」という監督。「公権力だから、タブーだから逆らっちゃいけないというのではなく、全く違う角度からの見方を示したかった。若者に見て欲しい作品です。悪さしたいなら強い相手にかかっていけ! 弱い者いじめはするな!」と熱く語っていた。
『ポチの告白』は名古屋シネマスコーレで公開中。また、大阪・第七藝術劇場では3月21日から公開。その他、全国順次公開予定。
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