スタジオジブリの最新作『かぐや姫の物語』の完成報告会見が11月7日にグランドプリンスホテル新高輪で行われ、高畑勲監督をはじめ声優をつとめた朝倉あき、高良健吾、宮本信子、田畑智子、宇崎竜童、上川隆也、朝丘雪路、主題歌を手がけた二階堂和美、共同脚本の坂口理子らが出席した。
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制作期間8年、総製作費50億円という日本映画としては破格の時間と予算をつぎ込んだ本作。高畑監督は「お金も時間もたくさんかけてやっと完成した。お金のことは考えずに作っちゃうのですが、できてしまうと、後はどう回収するか。問題はそればかり」と照れ笑い。
アニメーション表現の限界を超えたとも言われる映像を実現するために、ジブリとは別の新たなスタジオまで設立して挑んだ作品だが、高畑監督は「これからの日本のアニメーションにとって一歩進めたような気がします」と感慨深げで、「スタッフの力です。心から感謝します」と語った。
心に染みいるような主題歌「いのちの記憶」も印象的。二階堂は、高畑監督から「ハッピーエンドではない作品。見終わった方の気持ちを慰めるような曲を」と言われたことを明かした。また音楽家でもある宇崎は、劇中で使われている子守歌について「高畑監督が(音楽も)作ったと聞き、負けたなと思った」と敗北宣言していた。
会見では、後輩・宮崎駿監督の引退についての質問も。高畑監督は、宮崎監督の引退表明について「変わる可能性は十分あると思う」と復帰もあることを示唆。「そういうことがあっても驚かないで欲しい」と語り、自らの今後については「全然、考えていません」と苦笑い。本作についての宮崎監督の感想について聞かれると「聞いていません」とこれまた苦笑いしていた。
作品について、主人公・かぐや姫の声を担当した朝倉は「涙が出ました」とコメント。この日の朝、作品を見てきたという高良は「まだ興奮が止まらない。見ていただけたら、いろんなことを感じていただけると思います」と熱い口調で語り、宮本は「日本が誇るアニメーションの伝統になると思いました」、田畑は「こんなにも音頭を感じるアニメがあるんだと感動しました」と口々に絶賛。上川も「誇りに思える作品になった」、浅丘も「とにかく温かい作品」と、その素晴らしさを語っていた。
『かぐや姫の物語』は11月23日より全国公開される。
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