国民的人気キャラクター「ドラえもん」を初めて3DCG作品として映画化する『STAND BY ME ドラえもん』が、原作者の藤子・F・不二雄生誕80周年となる2014年夏に劇場公開されることがわかった。
同作を手がけるのは『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズの山崎貴監督と、その山崎と一緒に3DCGアニメ映画『friends もののけ島のナキ』を監督した八木竜一のコンビ。キャラクター造型に1年以上を費やし、表情や動きなど徹底的にリアリティを追求すると同時に、オリジナルの世界観を壊さないよう丁寧に作業。懐かしくも新しい「ドラえもん」が誕生する。
脚本は原作のなかでも名作と言われる作品をベースに、新たな要素を加えて再構築。「ラブストーリー」と「泣けるドラえもん」の要素が入っており、ラブストーリーでは原作25巻の「のび太の結婚前夜」(しずかちゃんとの結婚をめぐる心温まるストーリー)、泣けるでは原作1巻の「未来の国からはるばると」と6巻の「さようなら、ドラえもん」などから、みんなが知っているようで知らない、ドラえもんとのび太の出会いから別れなどの泣ける要素が再構築されているという。
撮影では、通常のアテレコとは違い、セリフや音楽・歌を先行して収録する「プレスコ(プレスコアリング/prescoringの略)」という技法が用いられ、声優の音声収録後、その音声や口の動き、表情、演技に応じてキャラクターの動きや表情を描き起こしている。また、背景をミニチュアで制作し、実際に撮影されたミニチュアにCGキャラクターを重ねることで、今までにないリアルな映像が可能となった。
実際に本作を手がけることになったときの感想について山崎監督は「正直ちょっとびびりました(笑)。すごくファンの多い作品だし、子どものころの思い出の一部として、みなさんすごく大事にしている。そんな作品を自分たちが手がけさせていただけるのは嬉しさ半分怖さ半分。好きだからこその怖さがいっぱいあります」とコメント。
好きなエピソードは最終回だそうで、「最初に読んだときすごく衝撃を受けました。『日常の当たり前になってしまったことが、どれだけ大事なのか』という考えの原点がドラえもん最終回。自分の今までの作品でも大きく影響を受けており、今回はまず最終回を描きたいと思って、逆算してストーリーを構成していきました」と脚本作りについても明かした。
また、どんな人に見てほしいかという質問には「子どもたちももちろんですが、特にドラえもんを卒業してしまった人たちです。大人になっていく過程で、ある時期ドラえもんと会わない暮らしが始まるけど、自分のなかの大事なもの、ドラえもんの存在を思い出してほしい」と語っている。
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