AKB48とそのグループ内ユニットであるSKE48らをはじめ、ももいろクローバーZ、モーニング娘。’14など、アイドルグループ全盛期の今日。その煽りを受けているのが、その他のアイドルたちだ。
これまでテレビや雑誌などで活躍していたアイドルにとって、彼女たちの躍進はそのまま、自分たちの活躍の場を失うことにもつながる。AKBが力を伸ばしていくことは、自分たちの出番の減少を意味し、“冬の時代”になりつつあるのだ。
そうしたなか、さらなる打撃となりそうなのが、1ランク上のステージで活躍するための登竜門ともいえるアイドル界のミスコンに、アイドルグループのメンバーが参加し、グランプリを獲得するようになってきたこと。
アイドル界のミスコンとは、ミスFLASH、ミスヤングチャンピオン、ミスアクションなど、巻頭等にグラビアページがある雑誌が開催するミスコンテストのこと。古くは1982年にはじまった「ミスマガジン」(斉藤由貴、細川ふみえ、岩佐真悠子、北乃きい)や、1992年にはじまった「制コレ(全国女子高生制服コレクション)」(原史奈、紗栄子)など。
この2つはともに終了してしまったが、今も続く老舗の1つが、日本テレビが行っている「日テレジェニック」(1998年〜)。また、週刊誌の「FLASH」がはじめた「ミスFLASH」(2006年〜)、マンガ誌「ヤングチャンピオン」が主催の「ミスヤングチャンピオン」(2010年〜)などがある。
グランプリに輝いたからといって、必ずしも仕事に結びつくわけではないとはいえ、出番が減りつつある“ピン”アイドルにとっては、プロフィール欄に書き込むことができる大きな武器を手に入れられる貴重な機会だ。だが今、そこにアイドルグループに所属するアイドルたちが次々と参戦してきているのだ。
昨年9月19日に発表となった「ミスヤングチャンピオン4代目グランプリ」には、小田島渚、百瀬美鈴とともに「アイドリング!!!」の橋本楓が選ばれた。今年1月28日に発表されたヤングアニマル主催の「NEXT グラビアクイーンバトル セカンドシーズン」では、アップアップガールズ(仮)の仙石みなみがグランプリに輝き、準グランプリの山中知恵、特別賞の高崎聖子とともに記者会見に臨んだ。そして、2月3日発表の「ミスFLASH2014」では、尾崎礼香、Kagamiとともに、SKE48の加藤智子がグランプリに輝いている。
彼女たちが強い理由の1つとして考えられるのが、グランプリ獲得までの選考プロセス。ミスコンではファン投票や撮影会、チャットなど、ファン参加型のシステムを導入していることが多く、AKBグループをはじめとするアイドルグループのメンバーやファンたちは、そうしたファン参加型のイベントに慣れているケースが多い。
また、グループの場合、直接、そのアイドルのファンでなくても、同じグループに所属しているのなら推してあげようという気持ちもあるようで、ファンがネットで投票を呼びかけるケースも、個人で活動しているアイドルに比べて多くなる。
あるアイドルウォッチャーは言う。「もし、アイドルグループから次々とミスコンにエントリーされたら、ソロで活躍しているアイドルでは、なかなか勝つのが難しいだろう」。グループではないアイドルにとっては、ますます生き残りにくい時代となりそうだ。
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