悪名高い弁護士演じる伊藤英明「地上波では表現しきれないところを重厚に作っている」

2014.05.29

伊藤英明がWOWOWの連続ドラマW『罪人の嘘』で、裁判に勝つためなら手段を選ばない悪名高い高級弁護士を演じることがわかった。対照的な正義感を持つ人情派弁護士を滝藤賢一が演じる。

同作は、伊藤扮する弁護士・笠原卓也が、連続強姦殺人の容疑で死刑求刑されていた有村弘人（柄本時生）の逆転無罪を勝ち取るところから幕を開ける。明らかに有罪なのに、それを無罪に変えた笠原に対し、遺族とマスコミは怒りをぶつけるが、笠原は「法に基づいた判決。責めるなら法を」と冷淡に言い放つ。

一方、罪の意識もない悪党を弁護することができず、有村弁護を放棄した庶民派弁護士・楠之瀬正志（滝藤賢一）は複雑な思いを抱えていた。そんな時、羽根田健三会長（仲代達矢）率いる巨大企業・日京ホールディングスの傘下である青葉製菓が小麦粉アレルギーの死亡事故を起こす。弁護を依頼された笠原は、ある目的を果たすため、あらゆる手段で原告側を追い詰める。

途中、笠原のもとに幼馴染の松本省吾（渋川清彦）が金の無心に現われ、そこから笠原には誰にも言えない過去があったことが次明らかになるなど、見どころも満載だ。

キャストにはほかに、木村佳乃、仲代達矢、筒井道隆、中村蒼、松重豊など豪華俳優陣が名を連ね、メガホンをとったのは映画『ヘヴンズストーリー』（10年）でベルリン国際映画祭の国際批評家連盟賞を受賞するなど、世界でも高く評価されている瀬々敬久監督。

本作について主演の伊藤は「地上波ドラマでは表現しきれないところを重厚に作っているWOWOWならではのドラマだと思いました。だからこそ、私が演じる笠原も滝藤さんが演じる楠之瀬もすごく魅力的な登場人物に描かれていて、スタッフキャスト一同で真っ向勝負している作品になっています」とコメント。「善悪とは何なのか。時代が違えば正義にもなるし、悪にもなるし、だからこそ自分自身の善悪とは何なのだろうかと自分自身も深く考えたので、みなさまにも感じていただけたらと思っています」と作品をアピールした。

滝藤は無名塾時代に付き人をしていた仲代との共演について「お会いするのは7年振り。同じステージに立たせていただくのは9年振り。芝居の基礎を骨の髄まで徹底的に叩き込んでいただいた仲代達矢さん。この作品の現場を想像するだけで魂が震えます。役者人生17年。続けていてよかったなー」と感慨深げ。

「自分にとっては初めての連続テレビドラマ」と明かす瀬々監督は「話を伺った時、まずそのテーマに惹かれた。人が人を裁くこと、司法制度、国家が人を裁くこと、そのことへの疑問。そして、それを自らの問題として抱え原罪を背負った弁護士を主人公とした物語。やりたいと思った。ずっと気になっていたテーマだった」と話している。

連続ドラマW『罪人の嘘』は8月31日より放送開始。全5話（第1話無料放送）