10月23日〜31日まで開催される第27回東京国際映画祭のラインナップ発表会が、9月30日に虎ノ門ヒルズフォーラムで行われ、東京国際映画祭ディレクター・ジェネラルをつとめる椎名保らほか、ゲストとして本年のフェスティバル・ミューズの中谷美紀と、日本映画として唯一コンペ部門に選出された『紙の月』の吉田大八監督が登壇した。
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今年は92の国と地域から1373本を超える作品がエントリーし、15作品がコンペティション部門に選出。さらに今年から、革新的な映画を世界へ発信し続けてきた映画人の功績を称える賞として“SAMURAI(サムライ)”賞が新設され、初年度である今年は北野武監督とティム・バートン監督が受賞することが発表された。
ディレクター・ジェネラルの椎名は東京国際映画祭について「映画ファンにとっては本当に待ち遠しい映画祭ですが、一般の方にはまだまだ認知度が低いです。今年は色々なイベントにも取り組み、そういった日頃関心のない一般の方にも楽しそうだと思ってもらえるような映画祭にしていければと思っております」と挨拶。
フェスティバル・ミューズの中谷は「本日は東京国際映画祭のためにお集まりいただきありがとうございます。私自身は1人の映画人である前に1人の映画ファンです。映画は忙しい人の日常を豊かにするような、夢を見られるようなツールであってほしいと思っております。私でお役に立てるかわかりませんが、1人の映画人として、日本、東京、映画を愛する映画ファンとして貢献していけたらと思っております」とコメント。
続けて、東京国際映画祭の思い出について「19歳のときに初主演した利重剛監督の『BeRLiN』という作品を上映していただいたことが本当に嬉しかったですね。実は未だにコンペ作品には出演していないんです。コンペ作品に出てレッドカーペットを歩くのが夢ですね」と話した。
一方、日本映画として唯一コンペティション部門出品作品に選ばれた『紙の月』の吉田大八監督は「コンペに選ばれたということで、勝負ごとは嫌いじゃないので映画祭を楽しめそうでワクワクしています」と挨拶すると、『紙の月』については「小説を読んでまず女性とお金という2つの切り口から映画を想像したときに、この企画を他の人にはとられたくないと思いました。彼女が犯罪を重ねるなかで何を手に入れて何を失ってどこへ進むのか、最初はわからなかったのですが、彼女が走って行く先を見つめていきたいなと最初に思いました。宮沢りえさんはずっと舞台で活躍されていて、映画には興味がないのかと思っていましたが7年ぶりに引き受けてくださって、彼女が持つ全てを撮影で出し切ってくれました。彼女の表情の変化を見ながら、自分の想像を超えた表情を毎日見てすごいなと思いました」と話していた。
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