バラバラの個性が奏でる完璧なハーモニーに耳目が釘付け! 必見のガールズ・ムービー『ピッチ・パーフェクト』/前編

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『ピッチ・パーフェクト』
『ピッチ・パーフェクト』

『ピッチ・パーフェクト』は、2012年にアメリカで公開され、大ヒットを記録した青春&音楽ムービー。アメリカ本国ではすでに今月から続編の『ピッチ・パーフェクト2』が封切られ、好調な滑り出しを見せているという。

[動画]『ピッチ・パーフェクト』予告編

女子大生アカペラ部の奮闘を描いたコメディで、「GQ」誌の編集者であるミッキー・ラプキンという人の書いたノンフィクションを原作としている。“全米ピッチ旋風、ついに日本上陸!”というキャッチコピーが示す通り、本国での公開から3年というタイムラグを挟んでの日本公開となるわけだが、これがもう「どうして3年も空いちゃったの?」と思わずにはいられない、痛快なエンタテインメント作品になっている。

性格も見た目もてんでバラバラな女の子たちが、アカペラというフィールドで頂点に立つために一丸となる。ガールズ・ムービーという意味で、『チアーズ!』や『スウィングガールズ』に通じるノリもあるのだが、本作での登場人物たちのキャラクター造形はより明確で、主演のアナ・ケンドリックほか、どの女の子にも感情移入できるだけの魅力が備わっている。

DJ/サウンドクリエイター志向のベッカ(アナ・ケンドリック)、自称“タスマニア1の歌姫”のファット・エイミー(レベル・ウィルソン)、リーダーで仕切りたがり屋のオーブリー(アンナ・キャンプ)、レズビアンのシンシア(エスター・ディーン)、ミステリアスすぎるリリー(ハナ・マエ・リー、菊地凛子にそっくり!)など。彼女たちの個性がアカペラチーム=ベラーズの中で有機的に絡み合い、そのパフォーマンスにおいても互いに影響を及ぼしていく。ベラーズが音楽的に幅を広げていく過程も細かく描写されており、音楽映画としての見応えも十分だ。(後編へ続く…)(文:伊藤隆剛/ライター)

【映画を聴く】バラバラの個性が奏でる完璧なハーモニーに耳目が釘付け! 必見のガールズ・ムービー『ピッチ・パーフェクト』/後編

伊藤 隆剛(いとう りゅうごう)
ライター時々エディター。出版社、広告制作会社を経て、2013年よりフリー。ボブ・ディランの饒舌さ、モータウンの品質安定ぶり、ジョージ・ハリスンの趣味性、モーズ・アリソンの脱力加減、細野晴臣の来る者を拒まない寛容さ、大瀧詠一の大きな史観、ハーマンズ・ハーミッツの脳天気さ、アズテック・カメラの青さ、渋谷系の節操のなさ、スチャダラパーの“それってどうなの?”的視点を糧に、音楽/映画/オーディオビジュアル/ライフスタイル/書籍にまつわる記事を日々専門誌やウェブサイトに寄稿している。1973年生まれ。名古屋在住。

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