第68回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門で監督賞を受賞した、台湾の巨匠ホウ・シャオシェン(侯孝賢)監督作『黒衣の刺客(こくいのしきゃく)』。この映画が日本では、日本オリジナル・ディレクターズカット版として劇場公開されることがわかり、忽那汐里が出演していることが発表された。
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本作は唐代の中国を舞台に、数奇な運命に翻弄される女刺客の姿を描いた武侠映画。主人公の女刺客・インニャンを演じるのは、『ミレニアム・マンボ』などに出演するホウ監督のミューズ、スー・チー。かつてはインニャンの許婚で暗殺の標的となる暴君には、『百年恋歌』に続きホウ監督とタッグを組んだチャン・チェン。さらに、窮地に追い込まれたインニャンを助ける日本人青年を妻夫木聡が演じている。
ディレクターズカット版での上映になることについて、ホウ監督は「本作は、中国、台湾、そして日本の京都・奈良・滋賀・兵庫で撮影を行いました。インターナショナルバージョンでは残念ながら割愛してしまった、日本での撮影シーンを追加したバージョンを日本の皆様に楽しんで観て頂けると嬉しいです。妻夫木聡さん演じる日本人青年の背景にある複雑さを出すために回想シーンを戻しました。青年の過去を主人公・インニャンは知りません。青年の背景を描くことによって、インニャンの孤独がさらに深まるだろうと考えたからです」とコメント。
また、このディレクターズカット版では、妻夫木演じる青年の妻役として忽那が出演しており、美しい雅楽の舞などを披露している。彼女が出演する回想シーンは2010年に奈良で撮影されており、そんな忽那の起用理由について、ホウ監督は「彼女とお会いした時、その非常に個性的な性格に惹かれました。物事を考える力のある人物であることを、彼女からは強く感じることが出来たので、ぜい出演してもらいたいと思いました」と述べている。
一方、忽那は「ホウ・シャオシェン監督の現場は、台本がない中行われ、日々思いがけない変更が出たりと、本当に刺激的な毎日でした。監督を信頼し、コミュニケーションを綿密に取りながら撮影は進んで行きました。雅楽師の先生のご指導のもと、普段では中々経験のすることのできない雅楽の舞にも、今回は挑戦させてもらい、とてもいい経験になりました。ようやく皆さんに、この作品を観ていただくことができて、とても嬉しく思っています」と話している
『黒衣の刺客』は9月12日より新宿ピカデリーほかにて全国公開となる。
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