『サマーウォーズ』や『おおかみこどもの雨と雪』の細田守監督最新作『バケモノの子』。このアニメーション映画の初日舞台挨拶が7月11日にTOHOシネマズスカラ座で行われ、声優をつとめた役所広司、宮崎あおい、染谷将太、広瀬すず、大泉洋、そして細田監督が登壇した。
本作は細田監督が、人間とバケモノの世界を行き来する少年と、師匠となるバケモノ・熊徹との父子にも似た不器用ながらも愛情深い触れ合いを描いた物語。
豪華キャストが顔をそろえた舞台挨拶だったが、役所は「細田監督作品に参加し、すてきな俳優、声優さんたちと仕事ができて幸せでした」と感無量な表情を浮かべると、役所同様、細田組初参加となる染谷も「この作品で声を演じさせていただいた時間はとても充実していました」と笑顔をみせた。
一方、『おおかみこどもの雨と雪』から連続して細田組に参加した宮崎は「大好きな細田監督作品、素晴らしいスタッフの方々に呼んでいただけてうれしい」と語ると、本作で少年の声を担当したことについて「初めて異性の役をやりました。収録の前は、携帯に何パターンか声を録ってみて色々試してみました」と難しい役柄への挑戦だったことを明かした。
また初めて声の仕事をしたという広瀬は「スクリーンで自分の声を聞くのはまだ不思議な気分。3年間の芸能生活のなかで一番緊張しました」と初々しい表情で語ると、細田監督は「初めてなのに何でこんなことができるんだろうって感じたのを思い出しました。(百秋坊役で参加した)リリー・フランキーさんと飲んだ時に、広瀬すずは天才だなって1時間41分ぐらい話していました」と広瀬の才能を絶賛していた。
バケモノの多々良役で出演した大泉は「義理の母とこの映画の話をしていたら、4歳の娘がすごく興味をもったんですよ。でもタイトルを『おばけの子』って覚えてしまって……」とほのぼのとしたエピソードを明かすと「将来、娘がこの映画を見てくれて僕を誇りに思ってもらえるような作品に出られたことに感謝します」と語っていた。
最後に細田監督は「子どもの成長がシンプルに描かれている映画ですが、長い月日をかけてようやく完成しました。こうして皆さんに見ていただけて幸運な作品です」と客席に向け、感謝の意を表していた。
(text&photo:磯部正和)
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