(…前編より続く)
○【3位予想】『ピクセル』
宇宙人が、スペースインベーダーやパックマン、ドンキーコングなど懐かしいゲームキャラクターたちに変身して、地球侵略にやってくる姿を描いたパニックムービー。監督は『ハリー・ポッターと賢者の石』(01年)のクリス・コロンバス。
クリス・コロンバス監督の『ハリー・ポッターと賢者の石』は、公開2日間で動員137万9000人、興収15億7000万を記録したモンスター映画。さすがにこの数字は全く参考にならないが、日本発のゲームが題材だけに、ノスタルジック感は満載だ。
本作は約310館での公開と『天空の蜂』と互角。全米で7月24日に公開されると、初週成績は約2400万ドルで初登場2位。製作費は約8800万ドルかかっているため、スタートの数字としては物足りないという評価。近年、全米の数字が日本での興収にも影響することが多く、その部分が影を落とすが、「日本人が見なくて誰が見る」という期待も込めて、こちらも15万-20万人前後の動員は期待したい。
・【週末シネマリサーチ】(前編)東野圭吾原作&堤幸彦監督『天空の蜂』、ヒットの条件はそろった!
▲【6位予想】『カリフォルニア・ダウン』
『ワイルド・スピード』シリーズのドウェイン・ジョンソン主演のパニック映画。レスキュー隊員に扮したドウェインが、巨大地震と津波の被害にあった人々を救う姿を描く。
『ワイルド・スピード』シリーズはもちろん、ドウェイン主演映画『ヘラクレス』(14年/パラマウント)も全国653スクリーンで公開され、初週土日で動員約7万1000人を記録し初登場2位。ドウェイン映画と日本の相性はいい。
劇場公開数も200館超。先に公開された全米では、初週で約5300万ドルをあげ、初登場首位を飾った。上記『ピクセル』が2400万ドルだったことを考えると、こちらは大ヒットスタートとなっている。『ヘラクレス』と同等か、それ以上の集客に期待だ。
△【10位予想】『キングスマン』
オスカー俳優コリン・ファース主演、『キック・アス』のマシュー・ヴォーン監督がメガホンをとったスパイアクション映画。
2月に全米で公開され、初週成績は約3620万ドル。その後も世界中でスマッシュヒットを飛ばし、世界興行収入で4億ドルを突破している。
劇場公開数は約230館。今週公開される洋画の全米初週成績を比べると、『カリフォルニア・ダウン』>『キングスマン』>『ピクセル』だが、スパイアクションと言えば、トム・クルーズ主演の『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』がまだまだランキングで上位に位置する。作品内容などはまったく違うが、キーワードだけでみてしまうと、ややかぶり気味の印象。その辺りが集客にどう響くか。
【注目シネマ】
×『ガールズ・ステップ』
映画『海月姫』の川村泰祐監督、「E-girls」のパフォーマーとして活躍中の石井杏奈主演で贈る青春ストーリー。大人がほとんど登場しない、友情やほのかな恋心を描いた「ザ・青春」に胸が高鳴る。
劇場公開数は約140館。8月24日に行われた完成披露試写会では、劇中、地味な5人組を演じた石井らが、爽やかな浴衣姿で登場し、作品の持つ“キラキラ感”をアピールした。観客層を選ぶ作品だけに、大きな集客は見込めないかもしれないが、ももいろクローバーZの『幕が上がる』(15年/ティ・ジョイ)的な広がりをみせれば……。(文:磯部正和/映画ライター)
磯部正和(いそべ・まさかず)
雑誌の編集、スポーツ紙を経て映画ライターに。基本的に洋画が好きだが、仕事の関係で、近年は邦画を中心に鑑賞。本当は音楽が一番好き。不世出のギタリスト、ランディ・ローズとの出会いがこの仕事に就いたきっかけ。
【関連記事】
・【興行トレンド】邦画と洋画の攻防(3回目)/ジブリとテレビ局主導で邦画人気が定着した2000年代
・【興行トレンド】邦画と洋画の攻防(2回目)/90年代映画界は冬の時代。人気は洋高邦低でハリウッドスターが大活躍
・【興行トレンド】邦画と洋画の攻防(1回目)/邦洋が拮抗した80年代、角川映画が邦画界を牽引!
・【週末シネマリサーチ 9月4日版】「完結編」は観客動員に効果ある!?『アンフェア』シリーズ「the end」が公開!
PICKUP
MOVIE
INTERVIEW
PRESENT
-
【舞台挨拶あり】齊藤工が企画・プロデュース『大きな家』公開直前舞台挨拶付試写会に15組30名様をご招待!
応募締め切り: 2024.11.22 -
『型破りな教室』一般試写会に10組20名様をご招待!
応募締め切り: 2024.11.29