いよいよ公開された『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』。僕は1997年に公開された『スター・ウォーズ 特別篇』で旧3部作(エピソード4〜6)を初めて見た後追い組で、新3部作(エピソード1〜3)にいたってはどれも1回ずつしか見ていないという超ライト級のファンだが、それでも今作には最初から最後まで感激しっぱなし。グッとくるシーンの連続で、J.J.エイブラムス監督の『スター・ウォーズ』シリーズへの畏怖の念が素直に反映された痛快娯楽作だと感じた。
新しい何かを作り上げようと変に気張らず、歴代シリーズに関わってきたSFX/VFX担当のデニス・ミューレンや音響デザイン担当のベン・バートといった先達の協力を仰ぎながら、ファンが見たい『スター・ウォーズ』を作ることに専念した潔さがいい。製作がアナウンスされた当初は「J.J.か……手堅い作品を撮る人だけど、『スター・ウォーズ』はちょっと違うんじゃない?」というネガティブな意見も多かっただけに、これは嬉しい誤算(?)と言っていいかもしれない。
先達の協力、という点ではもうひとり、ジョン・ウィリアムズの音楽も大きなポイントだ。近年もスティーブン・スピルバーグ監督の『戦火の馬』や『リンカーン』を手がけるなど、83歳の今も現役であり続ける映画音楽界のレジェンドだが、その年齢を考えると今回の3部作のスタートは彼がオファーを受けるギリギリのタイミングだったと考えていいだろう。そのストーリーラインと同様に、ファンの望む『スター・ウォーズ』的なシンフォニック・サウンドを全編に渡って鳴り響かせている。
彼の作曲したメイン・タイトルなどの主要曲なくして『スター・ウォーズ』シリーズはあり得ないが、できることなら2017年の『エピソード8』、19年の『エピソード9』、そして16年と18年に公開予定のスピンオフ作品でも全面的にスコアを手がけてほしいところだ。(後編へ続く…)(文:伊藤隆剛/ライター)
・【映画を聴く】後編/ジョン・ウィリアムズの音楽がフレッシュに蘇る!『スター・ウォーズ』シリーズのサントラがついにハイレゾ化
『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』は12月18日より全国公開中。
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