(…前編より続く)
●第5位-第1位
第5位:『映画 ハイ☆スピード! −Free! Starting Days−』
人気を博したテレビシリーズでは高校時代が、完全新作アニメとして製作された劇場版では中学時代が描かれた本シリーズ。水泳のリレーチームの4人の青春と絆をテーマにし、京都アニメーション製作だけに女子をとりこにする美少年キャラはもちろん、水中の描写もキレイ。中学入学に戸惑う主人公たちを丁寧にとらえた展開も、スポ根よりドラマ性を重視したテレビシリーズ同様の出来。ただ、4人のうち2人も新キャラなのは物語上仕方ないが、やっぱりテレビシリーズの4人の絆を見守ってきたファンとしては歯がゆいところ。
・【元ネタ比較】前編/原作あり映画、2015年ベスト10はこれだ! 残念感いっぱいのあの実写、興収1位のあの大作の評価は?
第4位:『幕が上がる』
弱小演劇部の奮闘を描いた演劇人・平田オリザによる原作は演劇への愛が強すぎて演劇ヲタクな話だったが、『桐島、部活やめるってよ』の脚本家・喜安浩平が直球な青春ドラマに見事に昇華。主演をつとめるももクロも、彼女たちはもともとはアイドル志望じゃなく女優志望だったことを思い出させてくれる巧演を見せる。アイドル映画としては逆に物足りないほど、じゃれあうわけでなく個々がそれぞれ自分と向き合う真摯な青春像が好感持てる1本。
第3位:『ジュラシック・ワールド』
この作品を元ネタ映画のベスト10に入れるべきか迷ったが、やっぱり見たときの熱量を考えると入れざるをえない。1作目の『ジュラシック・パーク』の衝撃が蘇るようなワクワクドキドキ感を与えてくれた。2、3作目ときは「四の五の言わずに恐竜を見せろ!」というフラストレーションがたまったが、新作ではさらに進化したVFXでさまざまなタイプの恐竜を次々と見せてくれる。恐竜の恐ろしさと、人間の傲慢さをあざける魂も健在。
第2位:『劇場版 弱虫ペダル』
これは燃えた! 萌えた! これまでに公開されたテレビシリーズの総集編である映画版とは違い、原作コミックを手がける渡辺航のオリジナル・ストーリーによる、待ちに待った劇場版だ。今回も自転車競技に懸ける高校生たちの戦いと結束力が熱い! テレビアニメシリーズで長きに渡って描かれたインターハイ後の単発レースが描かれるからビギナーも楽しめ、レース展開は手に汗握るはず。伏線処理やファンサービスもばっちり。みんな大好き巻島先輩フィーチャリングなのもファンにはたまらない。ここだけでは語り尽くせない本作の魅力は、ぜひ近いうちに【元ネタ比較】で!
第1位:『バクマン。』
最初から最後まで興奮させられっぱなし、期待以上の青春エンターテイメントに仕上げてくれたことに感謝したい。週刊少年ジャンプで人気漫画家となることを目指す少年2人を現実も織り交ぜながらメタ構造で描いていく。キャラクターやエピソードをそぎ落として2時間の作品に巧みにまとめた手腕に感服。『モテキ』の大根仁監督らしい映像表現も素晴らしい。なんてたって漫画愛、週刊少年ジャンプへのリスペクトに満ち溢れていることに感動した。(文:入江奈々/ライター)
入江奈々(いりえ・なな)
1968年5月12日生まれ。兵庫県神戸市出身。都内録音スタジオの映像制作部にて演出助手を経験したのち、出版業界に転身。レンタルビデオ業界誌編集部を経て、フリーランスのライター兼編集者に。さまざまな雑誌や書籍、Webサイトに携わり、映画をメインに幅広い分野で活躍中。
【関連記事】
・【ついついママ目線】2015年ベスト5/親も子も葛藤の連続なのだとしみじみした作品は?
・【映画興収レポート】2015年の興行1位は『ジュラシック・ワールド』、テーマパークにいるような臨場感がヒット理由
・元宣伝ウーマンが勝手にランキング! 2015年公開作品で印象に残った洋画の邦題
・辛口コメントもおもしろい!【元ネタ比較】コラム一覧
PICKUP
MOVIE
INTERVIEW
PRESENT
-
『型破りな教室』一般試写会に10組20名様をご招待!
応募締め切り: 2024.11.29 -
山口馬木也のサイン入りチェキを1名様にプレゼント!/『侍タイムスリッパー』
応募締め切り: 2024.11.15