『SW』効果で一挙に拡大! 4D体感型シアターは劇場生き残りの切り札となるか

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『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』公開に合わせて4D体感型シアターを導入した劇場が多かったようだ
『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』公開に合わせて4D体感型シアターを導入した劇場が多かったようだ

劇場の生き残り策として「4D体感型シアター」を導入するシネコンが増えている。これは、客席がシーンに合わせて前後・左右・上下に動き、嵐などのシーンでは水が顔にかかり、風が吹きつけ、雷鳴では劇場全体がストロボ発光。その他、香りや煙など様々な特殊効果が連動するもの。韓国のCJ 4DPLEXが開発した「4DX」と、米国MediaMationが開発した「MX4D」の2種類がある。

4DXは全国33ヵ所(ユナイテッド・シネマ&シネプレックスで11、コロナシネマワールドで8、USシネマで5、109シネマズで3、シネマサンシャインで3、イオンシネマで2、アースシネマズで1)、MX4Dは全国10ヵ所(TOHOシネマズのみで10)、合わせると全国43ヵ所にある。

実は12月に22ヵ所増えており、これは12月18日公開『スター・ウォーズ フォースの覚醒』に合わせてのこと。夏の『ジュラシック・ワールド』『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』などではこの体感型シアターのチケット完売が続出。好調ぶりを見た映画館が、『スター・ウォーズ』公開に合わせて一気に導入したようだ。3D機器が『アバター』公開時に一気に普及したように、大作が新システムの導入の後押しとなっている。

また客席が動くシステムは「D-BOX」というタイプがあり、こちらはイオンシネマが全国に8か所導入している。4D体感型シアターと異なり、水や風などの特殊効果がなかったからか、全国に広がる動きはなかった。逆にイオンシネマでは4DXを2か所に導入している。

一方、IMAX(アイマックス)も劇場生き残り策として注目されている。IMAXは、床から天井、左の壁から右の壁まで大きく広がったスクリーン、2台のデジタルプロジェクターを使った明るくクリアなデジタル映像、全ての座席が最適な音響になるよう調整されたデジタルサウンドが特徴だ。

全国22ヵ所(109シネマズで9、ユナイテッド・シネマで6、シネマサンシャインで3、TOHOシネマズで2、ヒューマックスで1、福山エーガルシネマズで1)に導入されているが、TOHOシネマズではさらに導入館を増やすと発表。15年4月に導入したTOHOシネマズ新宿は、開業から半年で国内IMAXスクリーンの最高興収を達成。この成功を受け、15年12月18日にTOHOシネマズ二条(京都)への導入を皮切りに、国内最多となる全国11館体制へ導入を進めていく考えだ(詳細は未発表)。(文:相良智弘/フリーライター)

相良智弘(さがら・ともひろ)
日経BP社、カルチュア・コンビニエンス・クラブを経て、1997年の創刊時より「日経エンタテインメント!」の映画担当に。2010年からフリー。

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