2009年にニューヨークのハドソン川で実際に起こった航空機事故の生存劇を、クリント・イーストウッド監督が映画化する『ハドソン川の奇跡』。全米では早くも2017年度アカデミー賞有力候補の呼び声高いこの作品のポスタービジュアルが解禁となった。
・イーストウッド監督新作は制御不能となった飛行機のハドソン川不時着事故
2009年1月15日、厳冬のニューヨーク。ベテラン操縦士のサレンバーガー機長はいつも通り安全運転を心掛けながらその日も飛行機に乗り込んだ。だが、160万人が住むマンハッタンの上空850メートルで、突如全エンジンが完全停止。70トンの機体が制御不能に陥り、このままでは乗客の命はおろか、ニューヨークの街中に墜落し、ニューヨーク市民の命に危機が迫る緊急事態に。そうした中、機長はハドソン川への着水を決断。乗客155人全員が無事に生還という奇跡を成し遂げ国民的英雄になる。
しかし、機長の“究極の決断”に思わぬ疑惑が掛けられてしまう。本当に不時着以外の選択肢はなかったのか? それは乗客を命の危機に晒す無茶な判断ではなかったのか? 揺れる世論。そこに重なる様々な思惑の中、機長は殺人未遂の罪に問われることに……。一夜にして英雄となった男が、一瞬にして容疑者へ。160万人の命を危険にさらす大惨事を救い、1人の命も落とさなかった彼が、なぜ容疑者になってしまったのか?
主人公のサレンバーガー機長を演じるのは『フォレスト・ガンプ/一期一会』(94年)と『フィラデルフィア』(93年)で2年連続アカデミー賞主演男優賞を受賞したトム・ハンクス。クリント・イーストウッド監督とは初タッグとなる本作で、3度目のオスカー受賞を狙う。
監督は、そのイーストウッド。74歳の時に『ミリオンダラー・ベイビー』でアカデミー賞監督賞の最高年齢記録を樹立し、85歳で全世界興収600億円という自身のキャリア史上最大のヒットを記録した『アメリカン・スナイパー』を監督。本作については「映画作りにはいつも違うチャレンジがある。今回はフィクションではなく真実の物語なんだ。だから登場人物全ての人を再現することに力を尽くした。サリー機長の人間性をしっかりと描きたかったんだ」と衝撃の事実に隠された裏側だけではなく、機長がどんな運命を背負い、どんな思いだったのかも描く。
解禁となったポスタービジュアルは、飛行機の窓越しにハンクス演じる機長の姿が写し出されたもの。遠くを見つめる彼の表情は、決して明るいものではなく、この先彼に待ち受ける過酷な運命を表現しているようにも見てとれる。さらに“155人の命を救い、容疑者になった男”という印象的なキャッチコピーが記されている。
誰が“奇跡”を裁くのか? イーストウッドが観客に伝えたかった真実とは? 『ハドソン川の奇跡』は9月24日より丸の内ピカデリーほかにて全国公開となる。
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