(…中編「気恥ずかしさはなく萌える男性同士のキスシーン」より続く)
【元ネタ比較】『花は咲くか』後編
キモの舞台もいい感じ!
日高ショーコ原作のBLコミック『花は咲くか』が実写映画化された。原作の高い人気の秘訣は物語の舞台にあると言っても過言ではないというぐらい、素敵な古民家でドラマが繰り広げられていく。
蓉一は若くして下宿の大家をしており、その下宿が古くて趣きのある家屋なのだ。植物が茂っている庭も含めて、こんな場所に佇んでいるだけで癒されてくるだろうなぁと思わせる雰囲気がある。
原作は綺麗で丁寧なイラストで、建物も植物も細かく描きこまれている。この古民家が陰の主役でもあるので、家屋の様子が全然違うと作品自体のイメージもまったく違ったものになるはずだ。
でも、そこは安心していただきたい。映画版も歴史を感じさせる古風な家屋で撮影されており、原作のイメージが再現されている。見ているだけで癒されてくるような味わいのある洒落た古民家だ。聞くところによると原作には舞台のモデルがあり、その家屋では撮影されなかったようだが、相応の家屋で撮影されたこの映像なら原作ファンも納得できるんじゃないだろうか。
また、下宿に住んでいるのは蓉一の従兄弟や同級生など、みなイケメンで、実写版でも水石亜飛夢など若手のイケメン俳優たちが揃っている。惜しいのは蓉一の父親の蓉介で、登場シーンは少ないがカリスマ性があって蓉一が憧れつつも乗り越えようとする重要な人物。映画版ではほんのちらっとしか出てこないが、カリスマ性どころかなんかしょぼく見えてしまったのは残念。
ただ、原作に優っていると思う要素もある。それは絵だ。美大生である蓉一の絵は、原作では読者の想像に委ねられているが、映画版ではしっかりと映し出される。意思表示は薄いが絵に関しては信念を持って描いている蓉一がいったいどんな絵を描いているのだろうと想像を膨らませていたが、それを目にすることができる。
『花は咲くか』は2月24日より公開される。
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