【元ネタ比較】『ポルノグラファー』前編
キラキラBLとは真逆の丸木戸マキの作風
普段はアニメ化や実写化にはいい顔をしない原作ファンから「これは原作の再現率100%!」とお墨付きをもらい、原作を知らずに何の気なしに見た視聴者からも「すごいものを見てしまった…!」と第1話放送直後から反響が! SNSでトレンドワード入りも果たし、話題となっているのはフジテレビで放送中のドラマシリーズ『ポルノグラファー』だ。
原作は今作が商業デビューとなった丸木戸マキによる同名のBL(ボーイズラブ)コミック。丸木戸の作風は耽美な絵柄でイケメンとイケメンが恋に落ちるという、いわゆるキラキラBLとは真逆と言える。ほの暗い独特の空気が漂い、どこか影のあるキャラクターたちが心を寄り添わせていく過程を丁寧に描いていく。
この「ポルノグラファー」もデビュー作とは思えない、迷いない落ち着いた筆致で低いテンションながらもドラマチックに物語を紡いでいく。主人公は素直で純情そうな大学生の久住春彦。自転車で事故を起こしてしまった久住は相手に怪我させてしまう。右手を骨折した木島という男は小説家で、自分の手が治るまで久住に口述筆記で代筆をしてもらうことで事故のことは示談にしようと持ちかける。
学生でお金がない久住は喜んで話に乗るが、木島の口からはすらすらと淀みなく、義母と息子が淫らに睦み合う内容が語られる。木島は実はポルノ小説家だったのだ(中編に続く…)。
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