【映画を聴く】『ステータス・アップデート』前編
SNSの過熱に警鐘を鳴らすミュージカル
『ステータス・アップデート』は、“割り増し”の自分をうまく見せるSNS時代のマナーをポップに扱いながらも、その過熱ぶりに警鐘を鳴らす青春ミュージカル作品。ティーン向けのファンタジーとして軽い気持ちで楽しむこともできるが、理想と現実の間で悶々とするあらゆる世代の人に訴えかけるリアリティも併せ持っている。
自分のアカウントのプロフィール欄を書き換えるだけで、それがすべて現実になってしまう「ユニバース」という魔法のソーシャルアプリを手に入れたカリフォルニア出身の高校生・カイルは、転校先のコネチカットでの馴染めない学校生活を次々にアップデート。気になるコーラス部の女の子・ダニーと親しくなりたいために“ブルーノ・マーズのように歌って踊れる”ようになり、ライバルのホッケー部員・デレクを打ち負かすために“プロ級のホッケーの才能”を手に入れ、スクール・カーストの底辺から頂点へと一気に駆け上がる。
また製作のアダム・シャンクマンは、『ヘアスプレー』(監督)、『セブンティーン・アゲイン』(製作)、『ブギーナイツ』(振付担当)といった作品に関わってきた、いわば青春&ミュージカルもののの名匠。中でも本作は、30代の男が17歳の自分に戻っって人生をやり直そうとする『セブンティーン・アゲイン』にテイストが近く、青春を謳歌するリンチの姿に『セブンティーン〜』の若きザック・エフロンを重ね合わせる人も多いだろう(後編へ続く…)。
・後編「ロス・リンチの魅力全開! 青春まっただ中の若者っぷりが微笑ましい」に続く
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