ツイッター上で5月10日から、「#検察庁法改正案に抗議します」というハッシュタグが拡散し、投稿数は数百万件規模に到達。歌手のきゃりーぱみゅぱみゅ、女優の小泉今日子ら芸能人のツイートも相次ぎ、話題を呼んでいる。
検察庁法改正案は、検察官の定年を63歳から65歳に引き上げるもので、8日に与党側が実質審議入りを強行した。この改正案は、安倍晋三首相と懇意の関係だと一部週刊誌に報じられる東京高検検事長・黒川弘務氏に検察トップの検事総長就任への道を開くためと見られている。
国をあげて新型コロナウイルス対策に取り組むべき今、こうした“不要不急”の法案を性急に審議・可決する動きがSNS上で問題視されている。
国民感情を無視する政府に、一部芸能人も反発姿勢だ。小泉は、自身が代表である制作会社「明後日」の公式アカウントで、本ハッシュタグを連続ツイート。それぞれ1万件以上の「いいね」を記録している。
ほかにも俳優の井浦新、芸人の大久保佳代子、いきものがかりの水野良樹、元AKB48の秋元才加らも同ハッシュタグ付きのツイートを展開している。
ロンドンハーツ1号2号の田村淳は「#定年延長のわかりやすい説明を求める」とツイート。「端的な説明がないと賛成とも反対とも意見できない…」と慎重な構えを示している。
他方、柴咲コウは4月30日、種苗法の一部を改正する法案についてツイッター上で取り上げ、「何かを糾弾しているのではなく、知らない人が多いことに危惧しているので触れました。きちんと議論がされて様々な観点から審議する必要のある課題かと感じました」と持論を展開している。
海外では、仏女優ジュリエット・ビノシュが黄色いベスト運動を支持。レディ・ガガやベン・スティラーはトランプ大統領を批判するなど、芸能人の政治的発言は珍しくない。ブラッド・ピットも、米国国立アレルギー・感染症研究所の所長であるアンソニー・ファウチ氏に扮して、ネット動画でコロナ問題に際してトランプ大統領を暗に批判した。
「芸能人は政治を語るべきではない」という風潮は、日本でも少しずつ変わっていくのかもしれない。
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