『マトリックス』シリーズ新作など17本を動画配信
12月3日(現地時間)、ワーナー・ブラザースは21年の公開予定作17本を劇場公開と同時に動画配信サービス「HBO Max」で配信すると発表した。ワーナーでは12月25日公開の『ワンダーウーマン 1984』を劇場公開と同時に配信するが、これに続く動きとなる。
・ハリウッド大作の枯渇を『鬼滅の刃』『ドラえもん』など邦画で埋める冬興行
21年の公開予定作を見ると、大ヒットが期待できる話題作が多い(日付は全米公開日)。
『Mortal Kombat』(1/15)
人気ゲーム『モータルコンバット』の映画化
『Tom and Jerry』(3/5)
テレビアニメ『トムとジェリー』をCGと実写を融合させて映画化
『Godzilla vs. Kong』(5/21)
ゴジラとキングコングが激突
『The Conjuring: The Devil Made Me Do It』(6/4)
人気ホラー映画『死霊館』シリーズ新作
『The Suicide Squad』(8/6)
『スーサイド・スクワッド』をジェームズ・ガン監督がリメイク
『Dune』(10/1)
SF小説『デューン/砂の惑星』をドゥニ・ビルヌーブ監督が映画化
『Matrix 4』(12/22)
『マトリックス』シリーズ新作
HBO Maxはアメリカでのみサービスを実施しており、アメリカ以外の国では劇場公開となる。
ワーナーメディアのアン・サーノフ会長兼CEOは「今回の措置は21年限り。新型コロナウイルスに対する一時的な解決策」とコメントを出している。
ワーナーが劇場公開と同時に配信するのは、アメリカで映画興行が振るわないからだ。コロナ禍で営業を再開している映画館はあるものの、大都市部では休業のまま。ワーナーは9月に『TENET テネット』の公開に踏み切ったが、興収は5740万ドル(11月29日時点)。前作『ダンケルク』1億8800万ドルの約30%にとどまっている。日本で『ダンケルク』を上回る大ヒットを記録しているのとは対照的だ。
HBO Maxの9月末時点での会員数は2870万人。ライバルのネットフリックスが1億9515万人、ディズニー+が7370万人。同時配信は会員獲得のテコ入れ策でもある。
ワーナーの計画に対し、全米最大のシネコンチェーンAMCのアダム・アロン会長兼CEOは反対、「『ワンダーウーマン1984』1作のみの劇場公開・同時配信には理解を示すが、同じ施策を21年も続けることには反対する」と声明を発表。今後、他の映画会社やシネコンチェーンがどんな反応を示すのか注目したい。(文:相良智弘/フリーライター)
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