第22回東京国際映画祭で、『ニュー・シネマ・パラダイス』(89)『海の上のピアニスト』(99)など数多くの名作を手がけるイタリアの名匠ジュゼッペ・トルナトーレ監督の最新作『バーリア』が上映され、監督と主演のフランチェスコ・シアンナ、ヒロイン役のマルガレト・マデがティーチインを行った。
監督の故郷でもあるイタリア・シチリア島の、住民たちが親しみを込めて「バーリア」と呼ぶ町バゲリーアを舞台にした作品で、1930年代から80年代に至るこの町の激動の歴史が綴られていく。監督自身と父親との関係を基にしており、「約1世紀に渡る、3世代の家族の生活を描きました。愛や夢、情熱、失望、政治など、さまざまなテーマを持っています」と監督。また、「とても個人的な作品」とも話していた。
郷愁を誘う映像が印象的だが、準備に9ヶ月、セット建設に1年、撮影に25週間かけたという。観客から、劇中に登場する広場の風景はセットなのかと聞かれた監督は、「約90%がセットでの撮影です」と答えた後、「もうああいう広場は存在しません」と付け加えた。
主演のフランチェスコは、長い時間軸の中での変化を出すことが難しかったと話し、「私はあの時代を生きていないので、バックグラウンドについて勉強した」と明かした。一方のマルガレトは「初めての映画だったので、(フランチェスコより)もっと難しかった」と大変さを語り、「おばあさんの世代の話なので、いろいろとおばあさんに聞いたり、監督に教わりながら演じた」と話していた。
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