10月19日、第22回東京国際映画祭の審査委員記者会見が行われた。出席したのは審査委員長のアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ(映画監督)、原田美枝子(女優)、イエジー・スコリモフスキ(映画監督)、キャロリーヌ・シャンプティエ(撮影監督)、ユ・ジテ(俳優)、松本正道(シネマテーク・ディレクター)の6人。現在、コンペティションに出品された15本を審査中だが、イニャリトゥ監督は「五感をしっかり働かせて、心に響く作品を一緒に選んでいきたい」と意気込みを語った。
原田は、23日に開催される「映画人の視点/松田優作の世界」特別企画について触れ、「心の兄であり師でもある優作さんの20回忌特別上映もあるこの映画祭に参加できて嬉しく思います」と語った。一方、昨年『アンナと過ごした4日間』で同映画祭の審査員特別賞を受賞したスコリモフスキ監督は、審査される側から審査する側に回った感想について聞かれ、「違和感はまったくない。日本が大好きなので、来年もまた作品を映画祭に持ってきたいです」とコメント。
「シネマテーク(フィルム・アーカイブ)の人間が審査員に選ばれたのは初めてだと思う」と話し始めた松本は、「審査に映画史的な視点を導入するという映画祭の新しい方針を感じる。とても吟味された作品なので、しっかり審査したい」と語っていた。
会見の最後では、『バベル』で日本ロケを行ったイニャリトゥ監督が、仰天の思い出話を交えながら日本の魅力を語った。
菊地凛子が、バレーボールの監督に暴言を吐くシーンの撮影で、「『Fuck You!』にあたるような日本語のセリフを言ってほしいと話したところ、日本人スタッフが困ったような様子で、日本語にはそれに近い言葉はない、一番近いのは『じじい』だと言うんだけど、そんなことはないだろうと驚いた。また、役所広司が凛子を車で送るシーンで、別れ際に『I love you』にあたるセリフを言ってほしいといったところ、前と同じように、日本ではそういうことを父娘では言わないと言われた。メキシコでは父親は娘に1日100回くらい言うのに!」と文化の違いに驚いたことを告白。
その後、友人で演出家の奈良橋陽子にその話をしたところ、「やはり、そういう言葉は確かに日本語にはない」と言われ、日本では言葉よりも行動のほうが大事なのだと説明された時に、一瞬、日本の文化を少し理解し始めることができたと思ったそうだが、「やはり、まだ理解できていません」と苦笑。「でも、理解できなくても、私にとって日本は、とても魅力的な国なんです」と話していた。
コンペティション部門サクラグランプリ受賞は、25日のクロージング・セレモニーで発表される。
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