日本のロックを牽引し続けてきたカリスマ、矢沢永吉の30年間の軌跡をつづったドキュメンタリー映画『E.YAZAWA ROCK』。10月21日、この作品が第22回東京国際映画祭で上映され、矢沢と増田久雄監督が舞台挨拶を行った。
1980年に、矢沢のドキュメンタリー映画『矢沢永吉RUN&RUN』をプロデュースした増田監督。本作製作のきっかけは、2年前にこの『RUN&RUN』を矢沢と2人で見たことだったという。
「20年ぶりくらいに永ちゃんと会ってお酒を飲みながら映画を見た。そのとき、フィルムの中の矢沢と目の前の矢沢を見比べながら、理屈ではなく『もう1回撮ろう』と思ったんです」
若き日の矢沢の姿も映し出されるが、その映像は、監督の事務所の倉庫でたまたま見つかった古いフィルムに収められていたという。
「フィルム缶がホコリだらけでさび付いてたんですよ。でも、乾燥剤を入れておいたのがラッキーだったんですね。35mmフィルムで5時間分あったのですが、見たらすごくきれいで」と監督。
一方、矢沢は若い頃の自分を見て、「なんて生意気な奴だろう」と思ったと話す。「青くて生意気で、思っていることをスパーンと言っている。今思うと恥ずかしいんですけど、あれがあのときの自分だったんだなと思う」と、素直な気持ちを打ち明けていた。
コンサートの裏側までがつぶさに映し出されていくが、司会が、現場でカメラや監督を邪魔に思ったりはしなかったのかと尋ねると、矢沢は「無視してますから、あんまり邪魔だとか思わないんです(笑)」と答えていた。
国際映画祭への参加も映画の舞台挨拶も初めてという矢沢。登壇の感想を求められると、「なんか落ち着かないですよね」と苦笑い。映画については、「僕の37年の音楽人生をドキュメントで追った作品。1人でも多くの人に見に来ていただきたい。矢沢って名前は知っていたけど、『あぁ、こういう男なんだ』と思うかもしれません」と話していた。
映画は5日前に完成したばかりで、「とにかく矢沢永吉は格好いいんだよ、と言いたくて作った」と監督。「矢沢の格好良さがわからなかった人は、僕のところに来てください。勝負しますから」と意気込みを語っていた。
『E.YAZAWA ROCK』は、11月21日より新宿バルト9ほかにて全国公開される。
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