施設で兄弟のように育った2人の青年。貧困と搾取のなかで生きていた彼らが、見えない壁を壊し、自分で人生をつかみ取ろうとする姿を描いた『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』が、11月24日に東京フィルメックスの特別招待作品として上映され、監督、キャストがティーチインを行った。
会場となった有楽町朝日ホールに登壇したのは、松田翔太、高良健吾、安藤サクラと大森立嗣(たつし)監督。緊張気味の松田と高良、そしてマイペースな安藤の対比が印象的だったが、司会から、撮影現場でもそんなに緊張していたのかと聞かれた松田は、この日は笑顔の絶えない監督を横目で見ながら、「監督は現場ではムチャクチャ怖かった」と、苦笑いしながら話し、緊張の理由を明かしていた。
来場者から撮影中の苦労について聞かれると、「雨ですね」と監督。クランクインが梅雨時だったため、天候が一番心配だったという。一方、松田は、「情報が多すぎていろいろなことを考えてしまうので、何もせず自然にしていることが難しかった」と回答。高良は「全部が大変」と言いつつも、「相手の演技に素直に反応するようにしたり、(演じた)ジュンとしてその場に居ることが大切だと思った」と、演技について語っていた。
「監督に『太って欲しい』と言われて、6、7kg太り、腰が痛かった」と語ったのは安藤。高良のバイクの後ろに乗るシーンの撮影を振り返り、「怖かった」とホンネももらしていた。また、ヘタクソなダンスを踊るシーンについても触れ、「ダンスを習っていたので、どう踊ればヘタクソになるのかがよく分からず、難しかった」と、意外な苦労も明かしていた。
『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』は、2010年初夏に新宿ピカデリーほか全国にて公開予定。
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