どういうわけか、今ハリウッドは80年代映画のリメイク作品だらけだ。これから公開される作品を挙げてみると、『タイタンの戦い』『ベスト・キッド』『特攻野郎Aチーム』『若き勇者たち』『The Thing』(オリジナルの邦題は『遊星からの物体X』)と続き、さらにリメイクではないが『ウォール街』の続編『ウォール・ストリート』もある。もうこれで十分というという気がするが、現在制作中のものがまだまだあるというから驚きだ。映画版『21ジャンプストリート』(オリジナルはTVドラマで、ジョニー・デップの出世作)、新しいバージョンの『ポルターガイスト』、『ゴーストバスターズ3』など目白押しだ。
[動画]『タイタンの戦い』予告編
[動画]『ベスト・キッド』予告編
[動画]『ウォール・ストリート』予告編
ロサンゼルスタイムズ紙はこの状況について、40代の映画会社のトップやプロデューサーあるいは脚本家が、若い頃に見た映画、またはその映画が生み出した感動へのノスタルジアとでも呼ぶべきかもしれないと論じている。あるいは、ハリウッドに広がる創造力枯渇の現れとも……。
「映画を見に行くという行動が(以前よりも)多世代的になってきている」とコロンビア映画社長のダグ・ベルグラド氏は述べている。「ある人口統計によると、親子で、さらには祖父母も一緒に映画を見に行くという。家族をリードする立場にある人に懐かしいと感じてもらえて、その人に子どもたちもこの作品を楽しめるだろうなと思ってもらえれば、売れる映画になるだろうね」。
映画関係者の思惑通りいけばいいけれど、80年代の映画には懐かしさだけでなく、とてつもない気恥ずかしさを感じさせるものもたくさんあるように思うのだが、そのへんについての見解も聞いてみたいところだ。とはいえ、いくらなんでもこれほどの本数になってくると、やっぱり創造力の枯渇ってことだろうな、とうがった見方をしたくなる。
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