藤沢周平の小説を、名匠・平山秀幸監督が映画化した『必死剣鳥刺し』。過酷な運命に翻弄される1人の武士の姿を描いた傑作時代劇だ。4月23日にこの映画の試写会が東京・サイエンスホールで開催され、主演の豊川悦司が舞台挨拶を行った。
[動画] 『必死剣鳥刺し』 試写会舞台挨拶 /豊川悦司、松本零士
『必死剣 鳥刺し』は、23〜25日まで開催される、映画館で働く人々による映画祭、第1回日本シアタースタッフ映画祭の“期待作10選”に選出され、オープニングセレモニー作品として上映。この日は名誉会長の松本零士も登壇し、映画への熱い思いを語った。
豊川は自作について、「決して派手ではないけれど、映画らしい映画。大人の人にじっくり楽しんでいただけるはず」とアピール。見どころのひとつである立ち回りのシーンについては、「1週間かけて撮りました。1人対多人数のシーンで危険でもあるので、かなり入念なリハーサルをしました」と話していた。
劇中では、豊川と、彼が扮する主人公に思いを寄せる女性を演じた池脇千鶴との入浴シーンも登場。司会が、見えそうで見えない微妙なアングルについて触れると、「池脇さんがかなり小さい方なので、僕が窮屈な姿勢をとらざるを得なくて、あれより下は写せないという状況でした……」と照れ笑いする豊川。「かなり無理な体勢で、上海なんとか団みたいなポーズになって、立ち回りよりもしんどかったかもしれません。セリフを言うのが精一杯でした(笑)」と振り返り、まだ映画を見ていないマスコミ陣の興味をかき立てていた。
その後、松本による授賞式があり、豊川に賞状が手渡された。賞状を手にした豊川は、「映画館で働いてくれているスタッフがないと、いくら映画を作っても、観客のみなさんに届かない。最前線で働いている方々から期待を込めてもらったことを光栄に思います」と感慨深そうに語っていた。
最後に松本が、約14分に渡って映画への愛を熱く語り、この日の試写会は終了した。
『必死剣 鳥刺し』は、7月10日より全国公開される。
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