これまで幾度となく小説や映画の題材となってきた『忠臣蔵』の史実。四十七士の切腹で終わる物語の“その後”を描いた人気小説を映画化した『最後の忠臣蔵』の完成報告記者会見が、6月17日に帝国ホテルで行われ、キャストの役所広司、佐藤浩市、桜庭ななみ、片岡仁左衛門、杉田成道監督と製作総指揮のウイリアム・アイアトンが出席した。
・[動画]『最後の忠臣蔵』記者会見/役所広司、佐藤浩市、桜庭ななみ ほか
本作で役所と佐藤が演じたのは、赤穂浪士の生き残りとなった2人の侍。「世代的にも近い演技派同士で共演した感想」を聞かれると、年下の佐藤は「4歳は結構、デカいんです。僕から見れば(役所は)大先輩なんで」と苦笑い。演技論などを話し合ったのかという問いに役所が「特に演技について話し合ったことはないですけど(笑)」と答えると、佐藤も「恥ずかしくてそんなことできないよね」と話していた。
撮影中、佐藤はよく競馬の話をしていたそうで、役所が「僕もそれにのっかって。当たったことはありませんけど(笑)」と打ち明けると、佐藤は隣で苦笑いしていた。
また、大石内蔵助を演じた片岡は歌舞伎界の重鎮だが、「映画は不慣れなので、役所さんと佐藤さんを先輩と見て、胸を借りて演じさせていただいた(笑)」と話し、「2人はすごいスターですから、一緒に写真を撮ってもらったり、ミーハーな気持ちで共演していました」と照れ笑いを浮かべていた。
一方、17歳の桜庭は、3人の大俳優の隣でかなり緊張した様子。彼女を起用した理由について聞かれた監督は、「彼女がコケたら、みんなコケちゃうので(笑)。何10人かの方にお会いしたが、実は最初から『この人』と思っていた」と明かした。そして、「彼女の役は“日本人”じゃなきゃいけない。今は洋風の顔ばかり多くて、“日本人の顔”があまりいないんですよ。それと、清純さ、処女性があり、品格があって、役所さんと対峙したときに力負けしない人でなければいけない」と、桜庭が適役だったと語っていた。
彼女は役所との共演シーンが多いのだが「とても緊張していたのですが、役所さんには現場ではすごく優しく話しかけてくださって、リラックスして撮影することができました」と振り返ると、役所は「すごくカンの良い女優さん」と賛辞を送っていた。
本作は、『ラスト サムライ』『硫黄島からの手紙』などを手がけてきたハリウッドメジャーのワーナー・ブラザース映画が、日本で初めて、本格的に製作に乗り出したローカルプロダクション作品。脚本を選ぶのに3年かけ、満を持して手がけた自信作。世界配給も視野に入れているそうで、「ヨーロッパの映画祭にも出品したい。ヴェネチア国際映画祭のコンペティション出品を狙いたい」と話すアイアトンは、「サムライスピリットは世界にも伝わると思う」と自信をのぞかせた。20億円の興行収入を目指し、今後も日本でのローカルプロダクションに力を入れていく予定で、アイアトンは「年間7〜8本くらい手がけていきたい」と意気込む。次作もすでに進行中で「2ヵ月以内に発表したい」と話していた。
『最後の忠臣蔵』は12月18日より丸の内ピカデリーほかにて全国公開される。
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