カーネギー賞受賞に輝くメアリー・ノートンの小説「床下の小人たち」を映画化したスタジオジブリの新作アニメ『借りぐらしのアリエッティ』。この映画の完成披露試写会が、7月1日に東京国際フォーラムで行われ、声優をつとめた志田未来と神木隆之介、米林宏昌監督、鈴木敏夫プロデューサーが舞台挨拶に登壇した。
舞台挨拶前には、フランス人音楽家のセシル・コルベルが、映画の主題歌「Arrietty’s Song」をハープで弾き語り、観客を魅了した。
小人の主人公アリエッティを演じた志田は、今回が声優初挑戦。「すごく緊張しましたが、スタッフのみなさんや神木さんのおかげで、すごく楽しく演じることができました」と挨拶。
この日も緊張気味の志田だったが、鈴木プロデューサーは志田と神木を「はまり役」と評した上で、「未来ちゃんもちょっとワガママで自分勝手で、向こう見ずで、アリエッティそのものなんです」と、微妙な褒め言葉で賛辞。志田は苦笑いしながら「ワガママじゃないです」と否定していた。
一方、神木は、そんなアリエッティと交流する人間の少年役。米林監督曰く「実は、作画の時点で神木くんをイメージして描いていた部分があった」とのこと。米林監督は、「実際にアフレコしてもらうと、キャラクターに命が吹き込まれたようで感激しました」と嬉しそうに話していた。
周囲の人々から「麻呂」と呼ばれているという米林監督は本作が監督デビュー作で、ジブリの最年少監督なのだとか。これだけの話題作ながらも、人前に出るのはこの日が初めてで、その理由について鈴木プロデューサーは、「宮崎駿が、『映画が完成するまでは、人前に出すような奴じゃないんだから、出すな』と言ったので、その言葉を守ってきた」と明かしてから、「彼には才能があると思っています!」と断言していた。
そんな米林監督には、実は知られざる裏話が……。それは、彼が『千と千尋の神隠し』のカオナシのモデルだということ。神木は「宮崎監督からその話を聞き、僕はそのときから麻呂さんがカオナシにしか見えなくて(笑)」と話していた。
最後に米林監督は、記念すべき初監督作について「見終わった後に、お客さんに、少しでも元気になったと言っていただけたらいいなと思っています」と客席に語りかけていた。
『借りぐらしのアリエッティ』は7月17日より全国東宝系にて公開される。
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