ニューヨークで開催中の第4回最新日本映画祭JapanCuts(7月1日〜16日)で、行定勲監督・藤原竜也主演の『パレード』が上映され、行定監督と藤原が舞台挨拶を行った。
『パレード』ベルリンで批評家連盟賞受賞。初日に段取り良すぎると笑顔の行定監督
チケットも完売し、行定作品の芸術性、藤原の演技について、高く評価されたという今回の上映。登壇した藤原は、緊張気味で「英語じゃなくてすみません」と恐縮していた。
藤原は、本作への出演について「若者たちの群像劇ということで、同世代の役者たちが集まって、こういう映画を撮るのも初めてでしたし、行定監督とご一緒させていただくのも初めてでした。同世代の人たちと芝居をすることによって、多くの刺激を受けたということが、非常に自分にとって意味のある作品になっていると思います」とコメント。また、その内容については「現代人が心のなかに抱えている深い闇みたいなものを、監督がすごくうまく表現してくれたと思うので、僕の人生のなかに残っていく作品だと思っています」と語った。
上映後にはティーチインも行われ、観客から、日本の若者像などの描写が悲観的すぎるのではという質問が寄せられた。これに行定監督は「もちろんすべての若い人がこういう人間ではないですし、すべての若い人間が人殺しをするとも思いません」と前置きした上で、九州から上京してきたときの自らのイメージが投影されていると回答。また、「今の若い人たちについて僕が一番恐ろしく感じるのは、無関心さ。人と人のコミュニケーションは非常にうまく取れているんだけれども、根底の部分では無関心だと感じます。自分のやりたいことに対しても無関心なんじゃないかと疑うぐらい、その場その場の空気を読むっていうことしかしていないように思える。東京の、その空気みたいな、なんだか得体の知れないものが、一番恐ろしいと思っているんです」と、正直な思いを語っていた。
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