昨年、レコード大賞新人賞を受賞したガールズバンド「SCANDAL」が声優に初挑戦したアニメ映画『ルー=ガルー』。この作品のプレミア上映が7月29日に新宿バルト9で行われ、ボーカルのHARUNA、ベースのTOMOMI、ギターのMAMI、ドラムのRINAの4人と、原作者の京極夏彦、藤咲淳一監督が登壇。舞台挨拶を行った。
[動画]『ルー=ガルー』先行プレミア舞台挨拶/SCANDALほか
『ルー=ガルー』は京極作品としては異例ともいえる近未来SFミステリー。数十年後を舞台に、4人の少女たちが時代の閉塞感を打ち破るべく立ち向かっていく姿を描いていく。この作品でSCANDALは声優に初挑戦したほか、初モーションキャプチャー、さらに、主題歌、挿入歌、エンディングテーマも担当するなどの活躍ぶりだ。また、SCANDAL自身が伝説のバンドとして物語のなかに登場する。
見どころの1つが、そんなSCANDALの演奏シーン。このシーンで彼女たちが初体験したのが、動きをコンピュータに取り込むモーションキャプチャーだ。「スタジオに行ったら、全身タイツが4つ置いてあった」と笑いながら振り返るのはHARUNA。「これに着替えなさいと言われ、着用してから演奏シーンを撮ったんですけど、全身タイツを着ながら演奏することってなかなかないので、すごく貴重な体験でした。スピードスケートの選手のような格好だったので、みんなで写真を撮ったり」と楽しい経験だった様子だ。
一方、アフレコで苦労したのは、大阪組のRINAとTOMOMI。RINAが「いやあ、標準語で喋られへんよな」と言えば、TOMOMIも「標準語で喋られへんから、すごい大変でした」と言葉を重ねる。2人は標準語で喋っているつもりでも、訛ってると言われるなど、イントネーションではかなり苦戦した模様だ。とはいえ、完成版には自信があるようで、RINAが「(本番で)使われているのは自分的には標準語なんですけど」と話すも、監督からは「関西語や」と返され、2人して「あれぇ、頑張ったのになぁ」と笑い合っていた。
最後に見どころについて聞かれたMAMIは「バンドってコミュニケーションの塊。目を合わせてリズムをとったり、SCANDALは4人なんですけど4人で1つのものを作る大切さを学べたりする。この映画も、みんなが1つになってモノを完成させていく大切さとかが伝わってくる内容で、すごく良い映画なので、私たちもそれを伝えていけたらって思います。あとSCANDALは、劇中で伝説のバンドとして描かれているので、それに負けないように、2030年に向けて伝説のバンドになっていかなくちゃと思っています」と述べた。
また、RINAは「これは、本当にあり得る話だと思う。30年後は、自分たちがまだ生きている未来の話だし。今だってパソコンとか携帯が普及して、友だちを携帯番号やメールアドレスで管理して、ポケットに入れて運んでいる。けど、考えたら30年、40年、50年前から見れば、今の時代ってちょっと怖い未来に見えると思う。だから、これから先は自分たちで変えていかないと、本当にこの映画みたいな未来になり得るなって」と話し、「この映画は終わったあとに、人と喋りたくなる作品。もう1回、見たいって思ってくれる人もたくさんいるだろうし、コミュニケーションの大切さを教えてくれるような作品になっています」と映画をアピールしていた。
『ルー=ガルー』は8月28日より新宿バルト9ほかにて全国公開される。
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