直木賞作家・森絵都の小説を元にしたアニメーション映画『カラフル』が8月21日より公開となり、声優をつとめた冨澤風斗、宮崎あおい、南明奈、まいける、入江甚義、中尾明慶、麻生久美子、そして原恵一監督が、東京・お台場のシネマメディアージュで初日舞台挨拶を行った。
タイトルにちなみ、カラフルな浴衣姿で登場した8人。主演の冨澤が黄色で、宮崎が橙(だいだい)、南が青、マイケルが緑で入江が紫、中尾が藍、麻生が赤の浴衣を着て、7人でレインボーカラーに。監督は黒の浴衣で、俳優陣のカラフルな“虹”を引き立てていた。
死後、もういちど下界に戻り、人生に再挑戦するチャンスを与えられた主人公の姿を通じ、人生の豊かさを伝える作品。主演の冨澤は「親に悪い口をきいたり、ケンカしたりしないので」と前置きしてから、「役とは180度違うタイプなので、共感するのが難しかった(苦笑)」と役作りの苦労を語った。
一方、そんな主人公のクラスメイトを演じた宮崎は、「(本作には)シンプルだけど、大事なメッセージが詰まっていると思いました。自分の人生に最後まで責任をもてるのは自分しかいないので、自分自身を大事に生きていけたら」と感想を述べた。
主人公の後輩を演じた南は、声優の仕事に不安を感じていたと告白。だが、「監督から『いつもの南さんでいい』と言われて、今までで一番気楽にできたし、納得のいく仕上がりになったと思います」と自信をのぞかせた。演技の具体的な感想については「初めて“泣くシーン”を演じたので、何度もやり直し、苦労したかな」と苦笑いしていた。
また、声優初挑戦だったのが、まいける、中尾、麻生の3人。初めてで緊張したという大阪出身のまいけるは「監督さんに(セリフを)大阪弁に変えていただいたので、本当にやりやすかったです」と監督に感謝。中尾は「二度とやりたくない」と意外なコメント。その理由は、出たがりなので声だけで演じることにストレスを感じたからだそうで、司会が「二度とやりたくなんなんて言わずに」と言うと、苦笑いしながら「はい」とうなずいていた。
麻生も「初めての声優のお仕事だったので、正直すごく不安でした」と振り返った。彼女はもともと原監督作品の大ファンだったそうで、「このチャンスを絶対逃したくないと思って」引き受けたと説明。すると原監督も「僕も麻生さんの大ファンでした」と告白。互いに念願叶った作品だったんですねという司会の言葉に麻生はうなずき、原監督も「もちろんです」と一言。さらに「ホントですよ」と付け加え、麻生のファンであることを強調していた。
これまで『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦』(02年)、『河童のクゥと夏休み』(07年)など質の高い作品を手がけてきた原監督。アニメーションはどんな派手なシーンも描けるけれど、今回はその誘惑に負けず、抑えたトーンにしたと説明してから「人間の感情や普通のお芝居を、きちんと描こうと思った。アニメがあまり挑戦しないことに挑戦し、やりきれたと思います」と満足そうな笑顔を浮かべていた。
『カラフル』はTOHOシネマズ みゆき座ほか全国東宝系にて公開中。
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