先月末に俳優の伊勢谷友介が、『カクト』(03年)に続く監督第2作目『セイジ─陸の魚─』に挑戦していることが発表されたが、12月10日に、今度は同映画の主要キャストが発表された。
伊勢谷友介が太宰治賞受賞作家の小説「セイジ」で監督2作目に挑戦!
同作は、今から20年前、大学最後の夏休みに自転車で一人旅をしていた「僕」が、今はもう寂れてしまった国道沿いの一軒のドライブイン「HOUSE475」で、不器用だが、ただ純粋に生きる男・セイジと出会うというもの。
「HOUSE475」の雇われ店長であるセイジ(38歳)に西島秀俊、大学4年生で、就職が決まり自転車での一人旅に出る僕(22歳)を森山未來が演じている。ほかには、裕木奈江、新井浩文、津川雅彦らが出演している。
西島、森山、伊勢谷監督は、それぞれ以下のようなコメントを出した。
【西島秀俊のコメント】
過酷でしたが充実した撮影ができました。共演者の森山未來君は今回初めて共演したのですが、役に向かう姿勢、身体能力の高さ、そして何より現場での閃きに何度も驚かされました。現在最も刺激的な若手俳優の1人だと思います。
伊勢谷監督には、作品にまっすぐに向かう力を感じました。役者に対しても、スタッフに対しても、それがこの現場を引っ張っていったのだと思います。その率直さがそのまま映画に映し出されていることを期待しています。映画の完成を楽しみにしています。
【森山未來のコメント】
出演を決めたのは、「セイジ」という存在が持つ同時代性に共感したからです。共演の西島さんは、柔和温順な表面の内にある映画への愛情の深さ、揺るぎなさがとても印象的でした。
伊勢谷監督は“デザイン”というものを主要にもってくる現場作りだった様に思います。人が描かれる映画に対して伊勢谷さんのイメージする“デザイン”がどう機能するのか。仕上がりがとても楽しみです。
【伊勢谷友介監督のコメント】
「セイジ」役については、かねてより大変悩んだキャスティングでした。意思があり、そして独自の世界観を持っていること。西島さんは、独自の視点で役を自分に取り入れ、芝居の空気感においても独特の存在感があって役者としての意思を感じます。僕やスタッフ全員を頷かせるほど、キャラクターに真実味を与えてくれました。
そして、「僕」役について。求めていたイメージは、まずプレーンであること。そして純粋さ。目の前の現況を映し出す、鏡のような存在でいて欲しいと思いました。森山君の名前があがった時、そのイメージにおいてもピッタリだと感じ、現実を真剣に見つめている彼の姿勢は、とても大事な要素になっていて役に対するアイデアもいただき、「僕」を体現してくれました。
『セイジ─陸の魚─』は2011年に全国公開予定だ。
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