永瀬正敏、被災地の厳しい現状も知ってもらいたい/『3.11後を生きる』舞台挨拶
3.11から半年後の被災地に暮らすタラ漁師の五十嵐康裕を中心に、現地で力強く生きる人々の姿を追った自主制作ドキュメンタリー『3.11後を生きる』。この映画の公開記念舞台挨拶が3月2日にオーディトリウム渋谷で行われ、中田秀夫監督とタラ漁師の五十嵐、さらに、中田監督が五十嵐の実話をもとに映画化する『四苦八苦』で主演する永瀬正敏も、ゲストとして駆けつけた。
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中田監督は「被災地ではまだまだ復興が進んでいるとは言えず、支援が必要ななか、ただ『前向きになってください』や『上を向いて生きよう』といったようなメッセージを込めて撮った作品ではない。日々状況は変わって来ているけれど、その土地で生きる人の営みをカメラに収めようと思った」と作品づくりの動機を明かした。
永瀬は「震災後に映画のセットのなかで演じることに、どこか違和感を感じていた。そんなときに『四苦八苦』のオファーがあり、訪れた被災地には何ひとつなかった。そうした状況で自分に何ができるのかを自問自答していたが、被災されたファンの方からのエールがあって勇気づけられた」とコメント。「あれから2年が経過し、被災地から遠く離れた人からみれば復興が進んでいると思われがちだが、まだまだ手つかずの場所も多いと聞いている。そうした厳しい現状も知ってもらいたい」と続けた。
また五十嵐は「この映画にもお祭りのシーンが出てきますが、別の神社では、本殿も、かつて立派だった神輿も被災してしまいました。震災で見たくないものをたくさん見た子どもたちも多かったと思いますが、この土地で成長して伝統の祭りを守ってほしい」と語っていた。
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