賞レースの間隙を突き、スター出演ナシの低予算コメディが異例の大ヒット!
今頃はアカデミー賞の授賞式に向けて大スターたちがドレスを選んでいる頃だろう。だが、そんな大スターの出演はなく、おまけに低予算のコメディ”Paul Blart: Mall Cop”が、ここ3週間、全米の週末興行成績で大成功をおさめ、話題になっている。
テレビドラマ “The King of Queens”や日本未公開のアダム・サンドラー作品で知られるコメディアン、ケヴィン・ジェームズが主演。彼が日本で知られていないのは当然だが、アメリカでも映画公開前に取材されまくるような大スターではない。というわけで、この映画がここまで大健闘をするとは多くの人が思っていなかったのだ。それが、公開するや2週連続首位、3週目もわずかに後退の2位。
世の中は不況で暗い出来事やニュースばかり。観客としては、お金を払って映画を見るなら気分よくなりたい! なのにこの時期、多くの作品がアカデミー賞狙いのシリアスな内容……。そこへ、軽いノリで家族みんなで安心して楽しめるこの映画がうまくハマったようだ。また、主人公が太っちょなダメ男というのも、観客が感情移入しやすい身近なキャラクターということでプラスに働いた。
主人公ポール・ブラートは警察官試験を受けるも、持病のために失神し、失敗。制服が警官に似ている警備員になって、ショッピング・モールで一生懸命働く。果たして彼は、大事件に遭遇して警官のような大活躍ができるのか?──というのがあらすじ。『ダイ・ハード』と『ホーム・アローン』をいっしょにしたような感じと言われているが、それってどんな感じ!?
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