(…前編「ボーイズがラブするBL、ここまで市民権を獲得〜」より続く)
“音”と“声”が重要な青春音楽ストーリーをアニメ化
【元ネタ比較】『ギヴン』中編
フジテレビの人気の深夜アニメ枠「ノイタミナ」で番組史上初めてBLコミックがアニメ化され、キヅナツキ原作の『ギヴン』が放送中だ。
主人公の上ノ山立夏は陰キャでも陽キャでもなくどこにでもいる普通の男の子で、ギターは高校生としては抜群に上手いのだけど、今は熱くなれずにいる。彼が出会う佐藤真冬はつかみどころのない、ポーッとした性格で子犬のような可愛らしさがある男の子だ。
ただ、彼は過去に大きな重いトラウマを抱えていて、そのことで他人と一定の距離を取っているフシがある。トラウマに関係した壊れたギターをいとも簡単に直してくれた立夏は真冬にさらに新しい世界を見せてくれて、過去にとらわれている真冬が前へと踏み出す支えとなってくれる。
立夏は立夏で不思議な雰囲気の真冬が自分にだけ懐いてくれてるだけでも悪い気はしないだろうところに、歌声でノックアウト。理屈抜きに恋に落ちてしまう。立夏と真冬が惹かれ合うのはとても自然に思えてなんの違和感もなく受け入れられる。
それだけならまだいいのだが、秋彦には雨月という同居人がいて、天才肌のヴァイオリニストである彼と秋彦は音楽においても恋愛においても複雑な関係性だ。立夏と真冬のメインストーリーと共に彼らの三角関係のサイドストーリーもしっかりと重きを置いて進行していく。
繊細でエモーショナルなバンドと恋愛を描いた青春ストーリーとなっていて、高校生組は重い過去がありつつ、今の2人はピュアで透明感あってキュンとする。大学生組は三角関係で、それぞれの想いがやるせなくて切なく、彼らの幸せを願って恋の行方を見守ってしまう。
恋愛模様と同様にワクワクさせられるのが彼らのバンドとしての成長を描いた音楽ストーリー。立夏は高校生離れしたギターの実力の持ち主で、真冬は聴く人を一瞬にして虜にしてしまうような魅力ある歌声を持っている。
しかし、マンガでは当然のことながら音は聞こえてこない。立夏のギターとはどれほどすごいのか、彼らのバンドはどのような音楽なのか。そして、なんといっても立夏が心を鷲掴みにされて、聴く者がビリビリと心震わせられるほどの真冬の歌声はいったいどんなものなんだろうか(後編へ続く…)。
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